KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
モデル名 |
Reebok LX8500 リーボック LX8500(Black/White/Carbon Grey) 2002年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはオーソドックスなブロックパターンアウトソールを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールには安定した衝撃吸収性を誇るE.V.A.を搭載。 |
アッパー |
アッパーには剛性が高くしなやか天然皮革を採用。 踵にTPUヒールカウンターを付けることで、捻れに対する安定性を向上させています。 |
システム |
E.V.A. TPU Heel Counter |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1986年に発売。 ミッドソールの部位によって硬度を変え、履き心地を向上させたモデルとしてデビュー。 国内で本格的に認知されたのは2000年に入ってから。 USAやUKで展開されていたモノが先行で流入し、人気を博したことから、国内でも正規に流通が始まった経緯が。 元々海外での評価が高かったモデルなので、そこそこ色目の展開があったこと。 そして2000年代前半の裏原宿ブーム時のアパレルフォルムにハマりやすいシルエットということで、セレクト系シューズショップやスタイリストがこぞってプッシュし、一気に飛躍。 結果、量販店でも広く扱われました。 まず思うのは、履き心地、フィット感共に優れている事。 この時代の基礎設計及びテクノロジー的に何か特筆すべきものを搭載していない事を考えると、この履き心地にはビックリすると思います。 履き心地の感覚としてはふわっとした柔らかさ。 元来、ふわっとした柔らかなミッドソールは即へたる、というのが方程式みたいなものなのですが、思いのほか長持ち。 欠点を上げるとすれば、履き心地の向上のためミッドソールが分厚過ぎて安定性はいまひとつ、という点。 そして年式によって天然皮革のクオリティーに差があり過ぎて、フィット感に差が出やすいということ。 ミッドソールの色塗りが甘く、ひび割れやすいこと。 踵のReebokと入れられたゴムパーツは確実に取れてしまうこと。 欠点も挙げていけば結構多いのですが、それを差し引いても完成度が高い、と言えるくらいの説得力があるモデルだと個人的には思います。 近年あまり引っ張り出されていないモデルなので、ラグジュアリーな素材で再提案を希望したいところです。 |
モデル名 |
Nike Air Moc ナイキ エア モック(Black/Straw-Black) 2006年復刻 |
アウトソール | アウトソールには丸みを帯びたブロック状の「ナイキリグラインドアウトソール」を採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールそのものは存在せず、アウトソールの上にフルレングスエアを搭載。 その上に通常のペラペラのインソールを挿し込む形状。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高い天然皮革を採用。 ドローコードを引っ張ることでフィット感を調節。 |
システム | Full Length Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1996年Springにデビュー。
アウトドア後のリラックスシューズという位置づけで開発。 発売された時期がナイキバブルまっただ中だったことと、当時雑誌等で推されていた「なんちゃってアウトドア」な風潮とあいまってストリートでもプチブレイク。 ケレン味溢れるモデルが主だったハイテクブームの中で、シンプルなフォルムがアンチハイテク派を含め幅広い層に支持されたこともあって、オリジナル販売後も数年に一回のスパンで復刻をされております。 履き心地としてはフルレングスエア搭載で、ミッドソールそのものが存在しない割にはエア感覚が乏しい事。 そして意外と硬いですね。 脱ぎ履きは見ての通り楽ちんそのもの。 逆にホールド感は無く、捻じれにも弱いため、段差等で不意に足をひねりそうになることも。 ちょっと良いサンダルくらいの位置づけであれば問題ないのだと思うのですが、従来のACG的なイメージで履くとイメージとのギャップを感じるかと思われます。 近年、存在感を無くしつつありありますが、シンプルなだけに低価格でNike iDのカスタムベースに選ばれれば、素材含め面白いことが出来る気がしますね。 |
モデル名 |
Reebok Question 3 リーボック クエスチョン 3(Athletic Navy/C.Blue/White) 2007年発売 |
アウトソール | アウトソール後部には縦へのグリップ性を考慮したドレッドパターンに似た特殊なパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するI.M.E.V.Aと従来のE.V.A.フォームにくらべ約23%の衝撃吸収率がアップするHEXALITEをミッドソール前後に搭載。 サイドまでビジブル化することで、クッション性のみならず軽量性にも一役買っております。 インソールにはウレタンタイプのソックライナーを入れ込むことで高いクッション性を確保。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高い天然皮革としなやかなシンセティック素材を使用。 根元に伸縮性のある甲のストラップが好みのホールド感を提供し、サイドパネルTPUとヒールを包み込むTPUヒールカップが高いフィット感と足の過度なねじれを防止してくれます。 アウトソールまでくりぬかれた通気口、サイドパネルTPUとアッパーのメッシュ部分があいまって、不快なムレを極力排除。 |
システム |
I.M.E.V.A. HEXALITE |
歴史背景 個人的感想 |
NBA2007-2008シーズン後半戦、当時D・ナゲッツ所属したアレン・アイバーソンのシグネチャーモデルとして発売。 前年度、彼のワンマンチームであったフィラデルフィア・76ersからトレードされ、当時エースとして君臨したカーメロ・アンソニーと共存できるのか? そして彼はチームを勝利に導けるのか?という「Question」(疑問)を再度投げかけられている、という意味で再度ネーミング。 個人成績としては51得点を叩きだすなど好調だったものの、プレイオフではあっさりと一回戦負けを喫し、チームとしての勝利を得る事が出来ない結果となります。 個人成績はさておき、「Question」シリーズも通算で3作目という事もあり、随所に初代からのバージョンアップを窺い知ることが。 シューレース全体をカバーする大きなベルトは縫い目に伸縮ゴムを入れ込むことで好みのホールド感に調節が可能。 通気性と捻じれに対する剛性を両立させるべくベンチレーションホールをTPUパーツに開けるなど画期的な試みが行われています。 重量も初代からの流れを汲んで、見た目以上に軽快感のある作り。 幅も初代同様、ゆったり目の設計。 海外のみで展開されている「Your Reebok」のカスタムベースに当時選ばれたのも、シグネチャーモデルとしての価値観以上に、モデルとしての完成度の高い出来栄えが優先されたからのように感じます。 逆を言えば、シューズとしてそつが無さ過ぎて極端な個性は感じにくい、とも取れるでしょう。 個人的には誰にでも勧めやすい、完成度の高いモデルだと思います。 素材の関係上インソールが加水分解をしてしまうので、その前に見つけて履いてみてほしいモデルですね。 |
モデル名 |
Air Jordan 17 Low エア ジョーダン 17 ロー(Black/Chrome) 2002年発売 |
アウトソール |
アウトソールはジョーダンの好きなゴルフコースをモチーフに配置をしたドレッドパターンを採用。 土踏まず部分をくり抜くことで、軽量化を図っております。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するファイロンを全面に使用。 フォアフットには推進力と反発性に優れたズームエアを。 リアフットには衝撃吸収性と安定性に優れたチューンドエアを搭載。 大胆にくり貫かれた中足部とミッドソールを弾力性のあるTPUで包み込むことで軽量化を促進。 またミッドソールとアウトソールの間にカーボンファイバープレートと挿し込むことで過度な捻じれを防止。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高いフルグレインレザーとしなやかなシンセテック素材のコンビを採用。 ダイナミックフィットインナースリーブが高いフィット感を提供。 TPUヒールプレートを別途はめ込むことでホールド性を向上させています。 |
システム |
Phylon Zoom Air Tuned Air TPU Heel Cup Carbon Fiber Plate |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA2001-02シーズンに発売。 当時、ワシントン・ウィザーズで電撃復帰を果たしたシーズンのオールスターにて着用をしたのがこのローカットバージョン。 デザインに関する記述はミッドカットを参照。 シューズとしてミッドカットと比較してみると・・・まずホールド感に関してはミッドカットのズボッと箱の中に足入れをしてホールドするような感覚は薄くなったものの、その分幅の狭さをダイレクトに感じると思います。 袋状に伸びたダイナミックフィットインナースリーブですが、従来のピタッと来るような感覚ではなく、あくまで包んでるだけ、という感覚。 とはいえ、シューレースが意外と足首の奥部分まで入り込んでいるので、緩い感覚は無く、あくまで使用者の好みに締めあげれると言ったところでしょうか。 個人的にはもう少しシューレースホールが多ければ、更に良かったのではないかなと思いますね。 クッション性に関してはミッドカット同様、プニプニ感は一切なく、ダイレクト感とカッチリ感が前面に出ています。 重量構成としてアッパーがミッドカットに比べ華奢になったため、バランスが少し崩れている印象が。 ソール周りが勝ち過ぎているため、若干足裏が重い感覚があると思います。 総じて評価をすると、AJ17が指向している安定感に対して、ローカットならではの機動性をどうにか合わせようとして生み出した苦心作と言ったところでしょうか。 |
モデル名 |
Nike Air Misson ナイキ エア ミッション(Black/Yellow Gold-Midnight Navy) 1994年発売 |
アウトソール | アウトソールにはフレックスグルーブを入れ込んだブロックパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を発揮するポリウレタンを全面に使用。 前足部にはフレキシブルな動きに対応するフォアフットエアを挿入。 ヒールには 豊かなクッション性を発揮するビジブルビックヒールエアを搭載。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高いフルグレインレザーとしなやかなデュラバックのコンビを採用。 ダイナミックフィットインナースリーブが高いフィット感を提供し、ミッドフットストラップが高いホールド感を約束してくれます。 |
システム |
P.U. Visible Big Heel Air Forefoot Air Dynamic-fit inner sleeve |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1994年。 ターフトレーニングを主体としたクロストレーニングカテゴリーのモデルとして発売。 取り立てて誰かが着用したなどという情報は無いものの、Nike社自体がNFLを主体とした市場にかなり力を入れていた事と、クロストレーニングカテゴリーのモデルにしてはシンプルなフォルムに大きなベルトが相まって、ナイキバブル前夜の佳作として人気を集めることに成功。 国内にも並行輸入業者を含め、相当数が入ってきていたようですが、しっかりと完売。 このMidカットが市場から無くなる頃に、USAのみで展開されたキャンバスバージョンのLow Cutが流入。 Low Cut流入時はNikeバブル真っ盛りだった事もあり、キャンバスバージョンこそ記憶に残っている方も多いかと思われます。 こちらのカラーリングはUSA大手チェーンChamps Sportsの別注カラー。 別注に関してはEastbay別注という説もあり、未だに真相がはっきりしていないのが事実です。 (当時の雑誌はどちらかで記載) このカラーリングは希少と言われたのはやはり配色。 当時ヴィンテージ市場で猛威を奮っていたDunkによる紺黄カラー崇拝の風潮が出来上がっており、そこに乗っかる形で希少化。 実際に色目としては紺色というよりも紫色に近い色目なので、そう言った説に対して若干違和感を感じるものの、カラーリングとしてはずば抜けた完成度を誇る事は事実。 発売後、15年以上たった今も、色褪せない不朽の配色と言えます。 モデル自体の履き心地としては柔らかめの印象。 フィット感も良く、使い勝手が良いと思います。 しかしながらこの時代のラストらしく、幅は狭め。 ストラップでカッチリ固定できるのでハーフサイズは上げたいところでしょう。 幅の問題もあって若干ボリューム感に欠けますが、少しスクール感を残したデザインが今時のファッション事情にも十分対応できるモデルだと思います。 個人的にはトレーニング系で一番復刻を希望しているモデルですね。 |
モデル名 |
AND1 Mad Game Woven Mid アンドワン マッド ゲーム ウーブン ミッド(L.Grey/L.Grey/Silver) 2001年発売 |
アウトソール | アウトソールにはグリップ性の高いドレットパターンと安定性を高めるスプリングジオメトリーを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するデュラスプリングを全体に使用。 ヒールには高い衝撃吸収性を誇るエアバッグを挿入しTPUで内封。 インソールには衝撃吸収性の高いボロンインソールを完備。 中足部からヒールにかけてTPUシャンクプレートを伸ばすことで過度な捻じれを防止。 |
アッパー |
アッパーには軽量でしなやかな伸縮系メッシュを編み込み使用。 余分な縫い目の無いアッパーパターンが足の余計なストレスを軽減し、屈曲を抜群に向上。 また、メッシュタンが必要な通気性を確保。 |
システム |
Duraspring Air Bag Spring Geometry TPU Shank Plate Poron Inserts |
歴史背景 個人的感想 |
NBA2000-01シーズン、当時ミネソタ・ティンバーウルブスに所属していたK・ガーネットが着用したモデルです。 お披露目はNBA2000-01シーズンのオールスター。 当時、AND1と契約を交わしたばかりで、Westのスターターに選出されていたK・ガーネットが着用し話題に。 シグネチャーではないMad Gameシリーズですが、このモデルに関してだけはK・ガーネットの準シグネチャー的扱いに。 事実、カットの低い通常版ではK・ガーネットにとって足首のホールド感が足りなかったため、彼の使用したモデルにはサポーター的な付属パーツがついていました。 Nikeが先行して販売したWovenアッパーテクノロジーですがバスケットボールシューズカテゴリーにおいてはほぼ皆無だったため、剛性的にどうなんだ?という疑問符が付いて回ったものの、スマッシュヒット。 剛性に関してもメッシュ以上、天然皮革未満といった感じでそこまで悪い印象はありませんでした。 伸縮性のあるアッパーはMad Gameシリーズ史上、一番履きやすかったのではないかと思います。 また、通気性が非常に良くなった点も見逃せないところでしょう。 反面、アッパーがしなやかになったせいで、「返り」のキツイ履き心地とのマッチングに関してはマイナス要因と捉えることも。 この辺りは好みの問題ですね。 個人的にはMad Gameシリーズの中では一番好きなモデルです。 惜しいのはカラー展開がシルバーとブラックの2色だけだったため、選べる幅が無かった事。 そして数が少なく、なかなか手に入りづらかった印象があります。 今となってはこう言った、実験的な要素を含んだモデルが販売される事は少ないので、もし手に入る機会があれば迷わずゲットする事をお勧めいたします。 |
モデル名 |
Air Jordan 16 エア ジョーダン 16(Black/Varsity Red) 2008年復刻 |
アウトソール | アウトソールはドレッドパターンとドットパターンのコンビを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するファイロンと柔らかなポリウレタンのコンビを全面に使用。 フォアフットには推進力と反発性に優れたズームエアを。 リアフットには柔らかなクッション性を発揮するビジブルヒールエアを搭載。 また中足部にコンポジットミッドフットシャンクを挿し込むことで過度な捻じれを防止。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高い天然皮革としなやかなシンセテック素材のコンビを採用。 シュラウドで包み込むことで高いフィット感を実現させています。 |
システム |
Phylon Zoom Air P.U. Visible Heel Air Composite Midfoot Shank |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA2000-01シーズンに発売。 ファーストリリースはマイケル・ジョーダンの38回目の誕生日である2月17日。 AJ3からAJ15までデザインを担当していたティンカー・ハットフィールドが一旦Jordanシリーズのデザインから身を引いたことで起用されたのが、Wilson Smith。 デザインのソースとしてAJ5・AJ6・AJ11のクリアラバーとAJ11のパテントレザーを組み合わせる案を採用。 どことなく見覚えのあるようなデザインに仕上がっています。 ジョーダン引退期に発売したため、後にJordan Brandの主力選手となる若手がPEとしてこぞって着用。 また、翌年ワシントン・ウィザーズで電撃復帰を果たした際にジョーダン自身もスポットで着用。 ですので全く着用されなかったモデル、というわけではありません。 国内では定価22000円と非常に高価だったことと、引退期に発売されたことであまり盛り上がった印象はありません。 ですが、ファイナルカラーとなったウィートを、かの藤原ヒロシ氏が紙面で推した事で一時的に注目が集まりました。 シューズとしては履き口が若干狭く、ズボッと足入れしてホールドするフィッティングを採用しているため、凄くブーティーな感覚。 その分、甲周りなどは若干ゆったり目に取られている印象で、シュラウドを付けて履く事は可能。 シュラウドを付けると、全体をタイトにラッピングしような感覚に変換。 かなりの一体感が生まれます。 とはいえ、通気性が一気にガクンと落ちるので、蒸れが気になる方にはあまりお勧めは出来ないですね。 またシュラウドは歩き方によって外れやすいので注意が必要。 接続部分がマグネットなので仕方がないのですが、動きに柔軟には対応してくれません。 ソール周りの印象としては、安定感とレスポンスを重視しているのが良くわかります。 ビジブルヒールエアながらもエア窓が大きいわけではなく、格子型にすることで衝撃に対するソールのひしゃげ方を抑えていることからも見て取れます。 また履いてみるとクリアラバーながらもグリップ感が良く、しなやかについてくる印象。 Jordanにしては珍しくかすかに台形がかったアウトソールの広がり方も加味されているかと。 この当辺りの安定感志向は次のAJ17にも受け継がれているように思えます。 スペックそのものはベーシックなので革新性を求める方には向かないかもしれませんが、随所に作りこまれていることが良くわかります。 マイケル・ジョーダン自身の引退期に発売された不遇のモデルではあるものの、誰にでも噛み砕きやすい良さが存分に詰まっているので、もう少し再評価すべきモデルの一つと言えるかもしません。 |