KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
モデル名 |
Nike Dunk Hi iD ナイキ ダンク ハイ iD(Black/White) 2003年復刻 |
アウトソール | アウトソールには安定性の高い同心円状パターンを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールにはE.V.A.素材を全面に使用し、アウトソールから全体をラバーで包み込むフルカップアウトソールを採用。 |
アッパー | アッパーには剛性の高い天然皮革を採用。 |
システム |
E.V.A. Full Cup Out Sole |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1985年。 様々なPEを輩出したレジェンドの後を継ぎ、カレッジバスケットボール市場向けのチームモデルとしてデビュー。 当時チームカラーとのマッチングを推し進める風潮と学生のころから有望な選手を囲い込もうとするNikeの戦略もあり、有名校のカラーリングを落とし込んだ7色が発売。 同時期に展開したターミネーター、ビッグナイキ、チームコンベンションと並び、市場に大きなインパクトを残すことになります。 実際に様々なPEが作成され、インソール・エアライナー内蔵式のモノやエア入りソール、タンやヒールの装飾違いなど、多岐にわたり、未だに未確認な情報も多数。 一方で接地感とアッパーの耐久性を求めるエクストリームスポーツプレイヤーからも支持されたことで、ただのバスケットボールシューズの範疇を超えた存在になっていきます。 そう言ったミステリアスな部分と、実用面で履き潰され残存数が少ないことも相まって、90年代初頭の古着ブームから90年代中盤のナイキバブルにかけ、ありえないほどの高額で取引。 Usedでも10万程度。 デットストックでは20万はざらに超える状況を作り出しておりました。 1999年、市場の声を反映しとうとう復刻がスタート。 初期復刻から通称裏ダンクの流れは、ナイキバブル崩壊後、様々な理由を含め、日本から一旦撤退を検討していたほど業績が落ち込んでいたNike Japanを復活させる原動力の一つになったと言われるほどの大ヒット。 以後、把握しきれないほど無数のカラーバリエーションを世に送り出しています。 そんな中22年の時を超えて、2007年6月1日にiDがスタート。 Hi Cut 17850円。 Low Cut 16800円という値段設定。 Whiteベースが市場では圧倒的に多いダンクなので、敢えて黒白というシンプルなカラーリングに、限定素材だったOakwood Leatherを採用して制作しております。 履き心地に関しては論ずるものではないでしょう。 1日履くと確実に足が痛いレベルです。 またiDならではの高品質なレザーを期待したのですが、そうでもないな、というのが正直な感想。 あくまでカラーリングを組み合わせられる、という点に重きを置いた感覚が正しいと思います。 iD化されてから、定期的にチョイス出来る素材を変えて展開をしておりますが、小細工なしのベーシックなダンクそのままで、そろそろエアライナー入りのモデルを展開しても良い頃なのではないかな、と多々思うモデルですね。 |
モデル名 |
Nike Air Zoom Flight 5 iD ナイキ エア ズーム フライト ファイブ iD(Midnight Navy/White/Varsity Maize) 2007年復刻 |
アウトソール | アウトソールには同心円状パターンとスタッドパターンのコンビを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を提供するファイロンを全体に使用。 クッション性・反発性の高いフルレングスズームエアを内蔵することで、接地感とクッション性を両立。 TPUシャンクを内蔵することで過度な捻じれを防止。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高い天然皮革を採用。 ダイナミックフィットインナースリーブが軽快なフィット感とホールド感を提供。 メッシュタンが必要な通気性を確保。 |
システム |
Phylon Full Length Zoom Air TPU Shank Plate |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA1997-98シーズンにフェニックス・サンズに所属していたジェイソン・キッドのモデルとしてデビュー。 Flightカテゴリーのトップとして名前こそ付きませんでしたが、各パーツにキッドの文字等々が入るなど、彼が使用することを前提に開発。 国内ではナイキバブルが弾けたタイミングで発売されたこともあり、時期悪くオリジナルは価格が暴落。 あまり印象が良くなかったのですが、2000年代に入ると、NBAに挑戦し一時はフェニックス・サンズのロースターに残った田臥勇太選手が長期にわたって、このモデルを履き続けたことにより、復刻版が逆にプレミア化するという異例のブレイク。 また、国内バスケットボールプレイヤー需要の高さから世界レベルでiD化までされ、未だに根強い人気を誇り定着。 一時期、Nikeのバッシュといえばこのモデル、と勘違いされるほどの普及率でした。 未だに実践にも使用できる基礎設計があったがゆえに弊害も非常に多く、一番問題となったのは田臥勇太選手が長期にわたって使用したことで、このモデルが日本人の足に合っていると勘違いされたこと。 あくまでもジェイソン・キッドのポイントガード的なスタイルで設計されているにも関わらず、インサイドのプレイヤーや極端に足幅が合わない方まで購入していた当時の状況を回想すると酷かったな、と思わざるを得ません。 もちろんNikeの中では若干幅もあり、日本人好みのグリップと接地感が両立していた、という要素もありましたが、このモデルのせいで一時期、国内のバッシュ事情が前に進まなくなった気がします。 (あくまで一般ユーザー向けでの話) 個人的には全体のバランスが悪くは無いかな、という印象。 あくまでも作りはフォアフット中心なので、リアフット重視の方にはお勧めしづらいモデルと言えるでしょう。 このカラーリングテーマはインディアナ・ペイサーズのPEです。 色目と言い、バランスといい、なかなか上手くまとまったように思えます。 Zoom Flight 5でもう何年も引っ張っているので、もう少し、フライト系の歴代モデルがiD化されれば良いな、と強く思います。 |