KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
モデル名 |
Nike Air Footscape Woven 360 ナイキ エア フットスケープ ウーブン 360(Black/Classic Green) 2006年発売 |
アウトソール | アウトソールには安定性の高いワッフルパターンをエアのふくらみに合わせ、最適なグリップを発揮するよう戦略的に配置。 |
ミッドソール |
ミッドソールには従来のポリウレタンやE.V.A.素材を全く使うことなく、Airのみで構成された360°Airを全面に搭載。 ペバックスケージにより過度なねじれを防止し、安定感を高め、その上前足部の屈曲性を損なわないような加工が施されております。 |
アッパー | アッパーには柔らかなスエードとウーブン素材を採用。 |
システム |
360°Air Pebax cage |
歴史背景 個人的感想 |
こちらのカラーリングは、2006年、360°Airを使用したスカルパックの一環で発売。 元々、コンフォート色の強いモデルだった、フットスケープ ウーブンを無理やり360°Air化したのは、素直に言って失敗。 ただでさえ腰の強いクッション性の360°Air Soleに、ふにゃふにゃのアッパーに合わせても、ソール周りに重量配分が行き過ぎて、履いていても、なんだか重りが付属しているような感覚。 これでフィット感の高いアッパー素材や造りであれば、少しは軽減されたかもしれませんが、このアッパーではどうあがいても無理。 無理やり感、バランスの悪さ、360°Airをどうにか普及させたいという企画だけが先行した感じ、全てをひっくるめて、非常に残念なプロダクトだと個人的に思います。 このアッパーにはロープロファイルかつクッション性豊かなソールが合っていると思うので、そういった形でちゃんとリリースしてくれれば良いな、と強く願います。 |
モデル名 |
Nike Air Max Light ナイキ エア マックス ライト(Black/White-Bright Cactus-Orange Blaze) 2007年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはストレートパターンとワッフルソールのコンビを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールにはポリウレタン素材とファイロンのコンビを採用。 (ファイロンと言われていますが、現在のファイロンとは違うと思われます) リアフットには柔らかなクッション性を誇るビジブルヒールエアを搭載。 リアフットには安定したクッション性を誇るフォアフットエアを挿入。 |
アッパー | アッパーには天然皮革、シンセテックと通気性の高いメッシュのコンビを採用。 |
システム |
P.U. Phylon Forefoot Air Visible Heel Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1989年スプリング、二代目Air Maxとしてデビュー。 とはいえ、2の冠はつかず、軽量化でシリアスランナーに更に対応をした、という意味を込めて「Light」と命名。 ストイックな出生にちなんでか、歴代の「Light」モデルは全て、無駄をそぎ落としたアスリートスペックとしての系譜を描き出すことになります。 外観としては次作3に通ずる、プラパーツ使い。 そして軽量化のために素材を変更して、前後分割されたミッドソールに特徴を感じますね。 シューズとしては、やはり初代の延長上にあることを感じさせる出来栄え。 素材の関係上、初代よりも弾力性のあるミッドソールに仕上がっています。 アッパーに関しては、甲が低めでトウ周りが若干狭いので、サイズには少し注意が必要かと。 履き手によってはプラパーツのあたりが出る可能性がありますね。 歴代エアマックスモデルの中でも、地域によってかなり温度差のあるモデルとして挙げられ、ヨーロッパでは2007年以降は定期的に復刻しているため、美色が多く、高い定着度を誇ります。 一方国内では、90年代半ばのナイキバブル時もどちらかと言えば、マイナーな存在だっただけに、なかなか取り扱いが少ないのが玉にきず。 歴代の「Light」も別注・復刻ベースとしては面白いモデルだと思いますので、何かしらの形で認知されて欲しいシリーズの一つと言えるのではないでしょうか。 |
モデル名 |
Nike Air Max Plus Leather ナイキ エア マックス プラス レザー(Black/White/Varsity Red) 2006年復刻 |
アウトソール |
アウトソールにはグリップ性の高いワッフルパターンを採用。 中足部にTPUを入れ込むことで過度な捻じれを防止。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するファイロンを全面に使用。 フォアフットには従来のフォアフットエアの3倍以上もの衝撃吸収性を誇るビジブルフォアフットエアを挿入。 リアフットにはクッション性と安定性を両立させたチューンドエアを搭載。 |
アッパー | アッパーには剛性の高い天然皮革とシンセティックのコンビを採用。 |
システム |
Visible Forefoot Air Phylon Tuned Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1998年10月、フットロッカーグループ「型別注」のモデルとして発売。 当時最先端の技術を導入して開発されたチューンドエアをインラインモデルではなく、型別注モデルに先行して搭載した事。 そして流線型のフォルム、流通量の少なさから、希少価値が高まり、エアマックスとして久々にヒット。 国内スニーカーセレクトショップがこぞって輸入し、それなりの高額な流通だったにも関わらず、完売が続出。 結果、インラインにも加えられ、一時的なブームを生みました。 以後、度々海外でのみ復刻。 特にUKでの人気は未だに凄まじく、footlocker UK系列では継続的に販売。 国内における95のような定着具合といっても過言ではないでしょう。 履いた感覚としては、チューンドエアに内蔵されたサスペンションパーツ(ペバックス半球体)が独特の張りを生み出しているのを感じるかと。 復元力の強いパーツゆえに硬く、クッションの返りが強いため、好みの別れるシステムだと思います。 重量感は軽くもなく、重くもなく、と言った中庸。 スピードシューレースながらもトップホールはアッパーに開いているのでフィト感の悪さを感じる事は無いと思われます。 問題を一つあげるとすれば、サイズ調整が難しい点でしょう。 トウ先にTPU補強が入っている事。 そして、甲が若干低く、トウボックスが狭い事を考えると典型的な日本人の足にとっては優しくない作り。 履き手によっては、ハーフサイズアップをしなければ、きついと思われます。 この使い手を無視したかのようなスペックが、未だに消費者を魅了していることも事実。 扱いづらいスポーツカーのような不思議な魅力のあるモデルと言えますね。 |
モデル名 |
Nike Air Max '97 Classic ナイキ エア マックス ’97 クラッシック(Metallic Silver/Varsity Red-White-Black) 2006年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはフレックスグルーブを入れ込んだワッフルパターンを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールにはポリウレタン素材を全面に使用し、高いクッション性を発揮するフルレングスマックスエア挿入。 |
アッパー | アッパーには硬めのメッシュとしなやかな人工皮革のコンビを採用。 |
システム |
Full Length Max Air P.U. |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1997年Fallより展開。 国内で90年代中盤に起こった、ナイキバブル末期に該当。 前作、前前作が値崩れを起こす中、どのくらいAir Max 95に肉薄できるか?で注目されたシューズでもあります。 エアスペックが従来の前後分割式から一変し、フルレングスで可視化されたことで目新しさが増幅。 銀に赤という往年のナイトトラックを思わせるようなカラーリングも手伝い、それなりのインパクトを残したように思えます。 以後、数年に一回定期的に復刻。 復刻の度に、いつの間にか市場から消えてなくなるなど、根強い人気を誇ります。 シューズとしてまず感じるのは、曲がんないなぁと。 フルレングスマックスエアが搭載されたことで、曲げて歩くと言うよりも、ペタペタと平面で接地するような感覚。 アッパーも甲が低く設計され、タン周りも硬めの為、履き始めは大分違和感があるかと。 デザインの問題もあると思いますが、ソール周りが勝ち過ぎてバランスが良いとはお世辞にも言えません。 また着用を続けていくと、メッシュが綻んできやすいのも特徴。 特に無理やり曲がる部分はその傾向が強いようです。 クッションのコシが強いソールなのでオーバーサイズで履くときついと思います。 アッパーとのバランスを考えるとジャスト目が個人的にはお勧めですね。 パーツの問題上、カラーリングが難しかったり、異素材系でなかなか発売されないモデルでもありますが、近年の技術進歩によりアッパーテクノロジーを進化させたモデルが発売されているので、時代が追いついたように個人的には感じています。 そう言った意味で継続して注目をしていたいモデルの一つです。 |
モデル名 |
Nike Air Max 93' ナイキ エア マックス 93'(White/Chlorine Blue/Vol Purple) 2003年復刻 |
アウトソール |
アウトソールにはフレックスグルーブを入れ込んだ独自のワッフルパターン。 (Vフレックスグルーブ付きコンプリートワッフルソール) |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 リアフットには抜群のクッション性を誇るブローモールドエアを搭載。 リアフットには安定した衝撃吸収性を誇るフォアフットエアを挿入。 |
アッパー |
アッパーにはしなやかなシンセテック素材と通気性の高いメッシュを採用。 ダイナミックインナースリーブが高いフィット感を提供し、モノフィラメントメッシュ製サイドパネルが高い通気性を完備。 TPUヒールカップが過度な捻じれを防止します。 |
システム |
P.U. Forefoot Air Blow Molded Air Dynamic Inner Sleeve TPU Heel Cup |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1993 Springシーズンにデビュー。 Air Max 93’というのが通り名に近年なってますが、当時としてはAir Max 5という表現でした。 更なるクッション性を求めて開発された大型エアは従来の横からしか見えないというAir Maxの概念を覆し、ヒール周り全体を視覚化することに成功。 シリアスなフォルムながら、蛍光色系のポップな色遣い視覚化したAirと組み合わせを展開することで、魅力的なモデルに昇華。 ソールシステムが後に発売され大ヒットとなるAir Burstシリーズに引き継がれたことなどを取ってみても、いかに完成度が高かったのかを窺い知ることが出来ると思います。 ただ、残念だったのが当時はホワイトベースのカラーリングのみの展開だったこと。 ボリューム感の無い、そぎ落としたフォルムゆえの戦略だったのかもしれませんが、別注等々も無かったことが不思議でなりません。 2000年代に入り、他のカラーリングも少しずつ出てきましたが、大々的に展開されたのは2006年の3 Decades Of Cushioning辺りから。 ポテンシャルが高いだけにiD辺りの継続があっても良いモデルではないかなと思います。 シューズとしてはクッション性よりも先に軽量感や通気性の良さが先にくるモデルですね。 クッション性に関してはブローモールドの特性として柔らかいと言うよりも、どっしりと支える感覚。 個人的にはインソール下にボロン一枚張るだけで一気に印象が変わるんだろうな、といつも思います。 欠点をあげるとすれば、人によってTPUヒールカップが当たって痛い可能性があること。 軽量性を重視して、ヒール周りのインナーも削ってるので、合う合わないがハッキリしていると思います。 後はBWや95辺りに比べると若干幅が狭めですね。 個人的にはこのソールを使った名品が一杯ありますので、その辺りと合わせて一度試してもらいたいモデルの一つです。 出来れば過去の名品含め復刻して欲しいですね。 |
モデル名 |
Nike Air Max Tailwind ナイキ エア マックス テイルウインド(White/Black/Deep Red) 1996年発売 |
アウトソール |
アウトソールにはワッフルパターンとブロックパターンのコンビを採用。 (センタープレッシャーワッフルソール) |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 リアフットには抜群のクッション性を誇るマルチチャンバーエアを搭載。 フォアフットには安定したクッション性を誇るフォアフットエアを挿入。 |
アッパー | アッパーにはしなやかなシンセテックと通気性の高いメッシュを採用。 |
システム |
P.U. Forefoot Air Multi Chamber Air |
歴史背景 個人的感想 |
1996年Fall、国内で一番Nikeがもてはやされ、特にAir Maxの百花繚乱とも言うべきシーズンに発売されたのがこのモデル。 Air Max 96'の一段下にあたるレベルの位置づけとしてデビュー。 とは言え、ソールテクノロジー的には2年前のトップレベル機種であったAir Max2(スクエア)を丸々受け継いでいた事もあり、ミドルレベルに収まりきらない存在感を示すモデルとして販売されたことを記憶しております。 実際にそのミドルレベルという位置づけからUSAメガチェーンストアによる別注カラーが非常に多発されたモデルの一つでもあり、ナイキバブルの余勢も駆って国内に大量に輸入。 それでも市場に出れば即完売と言う華々しいセールスを記録しておりました。 実際に国内正規価格が12000円(実際は1万代後半~2万代半ばで推移)だったということもあって、コストパフォーマンスの良いモデルだったと思います。 履いた感覚は非常に軽く、フィット感の良さが際立ちます。 見た目からソール周りに注目したくなるんですが、アッパーのラストが日本人に向いているのか、ゆったり目で非常に軽快。 スピードシューレースを使用しているので、ホールド感が甘いんじゃないか?という気が一瞬はするのですが、それも無く、不快感がありません。 クッション性に関しては、柔らかすぎでもなく、硬すぎでもなく、という感じだと思います。 贅沢を言うのであれば、フォアだけズームエアに変えたいかも、と思う程度ですね。 Max Tailwindシリーズは以後も定期的に姿かたちを変え継続されていきますが、個人的にはこの形を超える物が出ていないような気がしております。 マニア層にも受けが良いでしょうし、スポットで復活させてほしいモデルの一つです。 |
モデル名 |
Nike Air Max 95' ナイキ エア マックス 95'(White/Comet Red/Black) 2003年復刻 |
アウトソール |
アウトソールにはワッフルパターンをメインとしたBRS 1000 カーボンラバー。 中足部にTPUを入れ込むことで過度な捻じれを防止。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 リアフットには抜群のクッション性を誇るマルチチャンバーエアを搭載。 フォアフットには従来のフォアフットエアの3倍以上もの衝撃吸収性を誇るビジブルフォアフットエアを挿入。 |
アッパー |
アッパーにはしなやかなデュラバック(高耐久性人工皮革)と通気性の高いメッシュを採用。 各所に散りばめられたリフレクター素材が夜間走行性をサポート。 |
システム |
P.U. Visible Forefoot Air Multi Chamber Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1995 Fallシーズンにデビュー。 発売当初、さっぱり売れなかったにも関わらず、ファッションクリエーターがこぞって誌面上でプッシュしたことから一気に火が付きプレミア化。 前後ビジブル化したという視認性の良さも手伝って、ナイキバブルの火付け役となり、同時に「最新のAir Max」イコール「レアだ、偉い」といった風潮を国内に作り出します。 その後、メディアやショップが投資物件のように煽ったことも手伝って一時期は新品だと20万以上の値を付けられることも。 また、大量のフェイクが出回った原因となり、同時に起きたエアマックス狩り等々を含め、社会現象を引き起こしました。 シューズのデザインはセルジオ・ロザーノが担当。 グラデーション部分はろっ骨を。 アウトソール中足部のTPUは背骨を表現するなど、人体をモチーフにデザインされたと言われています。 シューズとして魅力的な部分は前後のビジブルエアとグラデーションパーツでしょう。 あえてグラデーションを生かさない配色を取ることもありますが、そうであっても成立するのはデザイン性の良さがあってこそ。 無数の配色が生み出され、未だに増色していることからも、汎用性の高さがうかがえます。 クッション性に関して言えば、意外と固め。 2006年以降は中空成型方式から熟成型方式にAir Bagの膨らませ方を変更したため、時期によって若干クッション性が変わったものの、柔らかさよりコシのある感覚を重視したクッション性かと思われます。 欠点をあげるとすればホールド感だと個人的には思います。 スピードシューレースを採用しているものの、シューレーストップがアッパーに通すタイプじゃないため、シューレースが緩みやすく、解けやすいことが難点。 シューレースが緩み始めると足が遊びやすくなってしまうため、理想的なフィット感を維持できない事が多々ありました。 また、シューズ内の後足部から前足部にかけての傾斜が意外とキツく感じることと、インソールが意外と滑りやすいモノを採用していることもあって足がシューズの中で前に移動しようとします。 これは前述したホールド感の部分と連動するので、人それぞれ感想が変わるかと思われますが、そういった部分がありがち、ということです。 総じて、ナイキバブルを知らない若者には響かないモデルかもしれませんが、その時代を生きた人にはたまらないモデルだと思います。 個人的にはいつまでたっても色違いで欲しくなる青春の一品という感じですね。 |
モデル名 |
Nike Air Max 1 Classic ナイキ エア マックス ワン クラッシック(White/Sport Red/Neutral Grey) 2006年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはブロックパターンとワッフルソールのコンビを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 リアフットには柔らかなクッション性を誇るビジブルヒールエアを搭載。 リアフットには安定したクッション性を誇るフォアフットエアを挿入。 |
アッパー | アッパーには天然皮革、シンセテックと通気性の高いメッシュのコンビを採用。 |
システム |
P.U. Forefoot Air Visible Heel Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1987年Springカタログにてデビュー。 今までなんとなくAirが入っているらしい・・・という、顧客の想像部分と体感でしか表現できなかった部分が可視化されたことで、Airとは何ぞや、というNikeのマーケティングにおける至上命題が一気にクリア。 何よりも市場に対するインパクトは絶大だったようで、ソールテクノロジーの分野では2000年代までポールポジションを奪うことに成功。 これ以後、様々なメーカーがテクノロジーの可視化に注力したことを考えると、歴史上一つの楔を打ち込んだモデルと言っても過言ではないでしょう。 テクノロジー的な進化で言うとAir窓は肥大化したAir Bagを着地の際、いかにAir Bag自体を自然に変形させ衝撃を逃がすか、という観点で制作。 可視化は副産物的なものだったと言われています。 実際にこのモデル辺りから、履き心地そのものが格段に向上をし、現在に至るまで定期的に復刻をされていることを考えると、いかに完成度が高いか?がわかるかと思われます。 シューズとして90年代半ばにはフットロッカーオリジナル別注だったAir Burstのデザインソースに使われるなど、普遍的なデザインであると言えるでしょう。 また92年から93年までSMUでAir Max 90'のソールを使用し復刻していた時期も。 これは不人気だったようです。 元々、この手のモデルはエア抜けの被害に遭うことが多かったのですが、2006年のエア製造方法変更後のモデルですので、どうやらエア抜けが少ないようです。 購入後、6年経ちますが今のところ履き心地は良好ですので。 (中空成型方式から熟成型方式への変更) 個人的には非常に取り回しがしやすく、どんなスタイルにも合わせ易いモデル、というイメージが一番ですね。 それに履き心地も悪くないので、一日どうにか履ける、というのも嬉しいところ。 ベーシックなカラーリングの方が使い勝手が良いモデルだと思いますが、パック系のベースにされることが多く、あまりピンとくるカラーリングで復刻されることが無いのが残念なところ。 iDで定期的に展開をしていますので、このカラーリングなら5年は付き合えるな、というカラーで楽しんでもらえると良いな、と思うモデルですね。 |
モデル名 |
Nike Air Max 360 ナイキ エア マックス 360(Varsity Royal/Black/White/Metallic Silver) 2006年発売 |
アウトソール |
アウトソールにはBRS 1000 カーボンラバー。 お家芸のワッフルパターンをエアのふくらみに合わせ、最適なグリップを発揮するよう戦略的に配置。 |
ミッドソール |
ミッドソールには従来のポリウレタンやE.V.A.素材を全く使うことなく、Airのみで構成された360°Airを全面に搭載。 ペバックスケージにより過度なねじれを防止し、安定感を高め、その上前足部の屈曲性を損なわないような加工が施されております。 インソールには高い弾力性とクッション性を備えたボロン搭載のインソールを使用。 |
アッパー |
アッパーには軽量かつしなやかなシンセティック・リフレクター素材を採用。 アッパー全体にレーザーカット加工を施すことにより、無駄なストレスを足に与えることなく、メッシュタンと共に通気性の高さを実現。 またインナーのダイナミックフィットが高いフィット感を提供してくれています。 |
システム |
360°Air ペバックスケージ レーザーカット加工 |
歴史背景 個人的感想 |
2006年、初代Air Max が1987年に発売されてから約二十年。 Nikeの誇るAir Max 開発チームが念願としたプロダクトが完成した。 それがこのAir Max 360。 3 Decades of Cushioningなどの大々的なキャンペーンもあり、個人的には結構斜めに、また冷静に状況をみておりました。 で、若干遅れて手に入れたのですが、あくまで個人的に言わせていただくと、非常に良いプロダクトです。 ランニングモデルはアッパーが華奢なので、ぶっちゃけて言うとソールにお金を出すようなものです。 これが定価16800~15750円なら言うことないのですが、(販売価格18900円) それをさし置いておいても、かなりテクノロジーの押しが強い、強烈なモデルに仕上がっております。 初めて履いた時、若干いつものサイズより小さいかな?と思ったのですが、どうも最初だけの感覚のようです。 すんなり足になじんでくれます。 また、体重の軽い方にはペバックスケージがかなり固く感じられるかもしれません。 2006年前後のNikeの動向には気分を悪くすることが多かったのですが、このテクノロジーに関しては脱帽です。 こういった視覚に訴えるテクノロジーを生み出して、それをマーケティングに乗せることにかけては相変わらず業界一の力を持ってますね。 ただし、このテクノロジーも2011年現在ではケージ部分を外す最新Airに取って代わっていて、そういう意味では進化段階の途中だったことを露呈してます。 最後にメディアが360°Airに対して意外とまとめていないので、以下、360°Airの簡単な特徴をまとめておきます。 従来の中空成型方式から熟成型方式にAir Bagの膨らませ方を変更することにより、屈曲性を高めるためのフレックスグルーブやその他様々な加工をAir Bag そのものの形状に施すことが可能となった。 ただし、360°Airのみでは安定感がほとんどないため、生産段階からARKEMA社(アルケマ社)の誇るナイロン系エラストマー樹脂で弾性が高く、強力な耐久性を持つ、ペバックスケージにあてはめながら生成を行っていく。 それもまた、熟成型方式の恩恵であると言える。 こういった手順を踏んだのち、実験段階では300マイルと同等の実験走行後、ほとんど衝撃吸収材の収縮及び劣化が見られなかったそうである。 (通常、40~50%まで圧縮されるのが慣例と言われている) また今までで一番最軽量のAir Maxに仕上げることが出来、US9=355g(若干個体差あり)というクッション性と軽量性を併せ持ったシューズに仕上がっている。 |
モデル名 |
Nike Air Classic BW ナイキ エア クラッシック ビッグ ウィンドウ(Black/Persian Violet/White) 2003年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはワッフルパターンをメインとしたBRS 1000 カーボンラバー。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を前面に使用。 リアフットには高いクッション性を誇るビジブルビッグヒールエア、フォアフットには安定したクッション性を誇るフォアフットエアを内臓。 |
アッパー | アッパーには軽量かつ通気性の高いメッシュとシンセティックレザーのコンビを使用。 |
システム |
Forefoot Air Visible Big Heel Air |
歴史背景 個人的感想 |
1991年、当時センセーショナルなデビューで人気を博したAir Max 4の復刻版です。 BWは「Big Window」の略であり、4の愛称として復刻版の名称として使用されております。 発売は1991年の後期。 前期に発売をされていた、Air 180の後を受け、注目を浴びて発売。 当時、Air Max 3と4を並べ、比較して、「Even More」と銘打ったキャンペーンを展開し、今までのAir Maxと違う点を強調することに成功。 当時日本ではアスリートレベルでの認知でしかなかった(Air Maxを買うならスポーツ屋で、といった風潮があった)Air Maxを大衆レベルまで落とし込んだ、という意味で非常に高い貢献度を誇ります。 もちろん、カラーバリエーションとしても非常に豊富であり、以後のAir Max 95が発売され、復刻ラッシュされるまではAir Maxの中で一番のカラバリ展開をされており、リミテッド(LTD表記)やフットロッカーの別注などが人気の的となっておりました。 そういった長期に渡るリリースが人気を支える結果となって行ったとも言えるでしょう。 今でこそ普通な印象を持ちますが、内容としてはかなり画期的であり、何よりも適度なクッション性が足に与える印象は良く、通気性も高いため、日本人好みなスペックと言っても良いかもしれません。 カラーバリエーション的に出尽くした感がありますが、現行でも海外(特にヨーロッパ)をメインに未だ増殖中。 前述したとおり履き心地が柔らかく使い回しが非常に良いモデルですので、個人的には1年に1カラーくらい国内で出てくれても良いではないかな?という感じです。 なんにせよ、当時Nikeが今の殿様商売と比べ、まだ必死だったことを伺わせてくれる、良い時代のプロダクトだな・・・というのが素直な気持ちです。 |
モデル名 |
Nike Air Trainer Max2 94' ナイキ エア トレーナー マックス・スクエア 94'(White/Black/Silver) 2006年復刻 |
アウトソール | アウトソールには独特のフレックスグルーブを入れ込んだブロックパターンワッフルソールを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 リアフットには抜群のクッション性を誇るマルチチャンバーエア。 フォアフットには安定したクッション性を誇るフォアフットエアを内臓。 |
アッパー |
アッパーには軽量かつ通気性の高いメッシュとシンセティックレザーのコンビを使用。 ダイナミックフィットインナーがフィット感を高め、人間の肋骨のように伸びたアッパーがトレーニングに必要な動きを制限しません。 |
システム |
Forefoot Air Multi Chamber Air |
歴史背景 個人的感想 |
1994年 Fall/Winterというナイキバブル前夜とも言える時期に発売されたトレーニング系のフラッグシップモデルです。 特筆すべきは既に強いインパクトをもたらしていたブローモールドエアを更に進化させグレードアップしたことでしょう。 そのエアを他カテゴリーに対し一手遅れることの多かったクロストレーニングモデルが、同時期に搭載をした、ということに意義があったように思えます。 この辺りから更にクロトレ部門にハイテクの波が一気に押し寄せ、他カテゴリーに負けない押しの強さを確立していったことも見逃せない点でしょう。 個人的には、95年から始まるナイキバブル時に海外限定カラーを含め、様々流通していたにもかかわらず手に入れることが出来なかったので待望の復刻でした。 ですが残念ながら、あまり足に合わなかった、というかもうちょっとカッチリしてて欲しかった、というのが本音です。 アッパーメッシュ&シンセティックレザーなのは問題がないのですが、シンセティックレザー部分が余りにも柔らか過ぎて横へのサポート感が非常に薄い、というのが個人的な趣向と合わなかったようです。 バランスで言うとソールが勝ちすぎちゃってる感じなんですよね。 もちろん当時のシステムとオールマイティーに使うことを考えれば、このくらいが限界と言う意味で致し方がないとは思うのですが。 現在のテクノロジーで言えば、Fly Wire辺りが入ってると最高かもしれませんね。(アップデート希望) 逆に言えば、ソールもアッパーも柔らかくて屈曲性重視的なスタンスであれば、メチャクチャ満足が出来るモデルだと思います。 足入れも見た目以上に楽で、幅も十分ゆったりしていますから。 ある意味、クロストレーニング系の過渡期と言えるモデルかもしれません。 |