KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
モデル名 |
Nike Air Penny 3 ナイキ エア ペニー 3(Black/Black-Varsity Royal) 2008年復刻 |
アウトソール |
アウトソールにはフレックスグルーブを入れ込んだ、緩やかな同心円状パターンを採用。 ミッドソールとの間にカーボンファイバープレートを挿し込むことで過度な捻じれを抑制。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するファイロンを全体に使用。 リアフットには抜群のクッション性を誇るマルチチャンバーエアを搭載。 リアフットには安定したクッション性を誇るフォアフットズームエアを挿入。 |
アッパー |
アッパーにはメッシュ、天然皮革のコンビを採用。 サイドアッパーにはポリウレタンを成形することで高い剛性と縫い目の無くすことを両立させたポジット素材を使用。 |
システム |
Phylon Carbon Fiber Plate Forefoot Zoom Air Multi Chamber Air Foamposite |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA1997-98シーズンにオーランド・マジックに所属していた、アンファニー・"ペニー"・ハーダウェイのモデルとしてデビュー。 間に伝説的モデル、Air Foamposite Oneを挟んだことから変則的になったものの、サードモデルという触れ込みで1998年スプリングカタログより展開。 国内ではナイキバブル末期にあたり、ほとんど注目されることが無く、いつの間にか無くなっていった印象が。 選手としても怪我で欠場する機会が多く、選手の威光によるマーケティングが不発に終わった点も理由としてあげられると思います。 シューズとしては、ペニーシリーズ屈指の出来栄え。 前作から引き継がれた、Foamposite テクノロジーを使用したことでアッパーの剛性とフィット感が秀逸。 アッパー全体を覆うわけではなく、サイドからのフィッティングのみに使用したことで、屈曲、通気性、重量と言った部分が犠牲にならずに済んでいる点が見逃せない部分でしょう。 クッション性に関しては、搭載位置の問題なのか、フォアズームのプニプニ感はないものの、バランスが良く、足に優しい感覚。 基礎設計的には現代でもギリギリ使用可能なクオリティーだと思います。 近年、House of Hoopなどが別注をかけることで、再評価される兆しはあるものの、全体としては歴史に埋もれたモデル、という印象はぬぐえません。 とはいえ、隠れた名作ですので、履いてみる価値はあると思います。 |
モデル名 |
Nike Air Go LWP ナイキ エア ゴー ライト ウェイト パフォーマンス(Black/Varsity Royal/White) 2011年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはグリップ性の高いヘリンボーンパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 (カタログ表記上はファイロンになっていますが、オリジナルにおいて加水分解をしているものが大多数ですので憶測ではありますがポリウレタン素材と表記させていただきます) リアフットにはローインパクトエクセサイズにおける衝撃を最大限に吸収するロープレッシャーエアを搭載。 リアフットには安定したクッション性を誇るテンシルエア・・・現在のフォアフットズームエアを封入。 |
アッパー |
アッパーにはしなやかで軽量なデュラバックとメッシュのコンビを採用。 ダイナミックストレッチスリーブが高いフィット感を提供。 |
システム |
P.U. (Phylon) Forefoot Zoom Air(Tensile Air) Low-Pressure Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1995年のSSカタログに掲載。 Flight カテゴリーのトップレベルモデルとしてデビュー。 当時売り出し中だった、O・マジック所属のアンファニー・"ペニー"・ハーダウェイを中心としたガード系選手が多数着用し、人気機種に。 国内ではナイキバブル前夜のタイミングだったこともあり、国内正規展開の2色のみならず、海外で展開されていたカラーリングが流入。 飛びぬけたプレミア価格をつけたわけではありませんが、競技使用を中心に消費されたように記憶しております。 スペックとしては非常に軽く、ソール周り以外は本当に華奢な印象。 クッション性能そのものは高くなく、フォアに入れられたズームエアもそこまでのダイレクト感はありません。 ロープレッシャーエアの形状を考えても、あくまで前のめりになることを前提とした作りであることを実感すると思います。 また、トウ周りが狭いため、幅のある方はフィッティング的に難しい部分があるかと。 ハイテクモデルとしては減点材料が多いモデルではありますが、それを差し引いても、ソリッドな雰囲気を醸し出すデザイン性は秀逸であると言わざるを得ません。 個人的には当時のPEカラーもついでなので復刻して欲しいと願いますね。 |
モデル名 |
Nike Air School Force Mid ナイキ エア スクール フォース ミッド(White/Carolina/black) 1996年発売 |
アウトソール | アウトソールにはグリップ性の高いヘリンボーンパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を発揮するポリウレタン素材を採用。 リアフットには高いクッション性を誇るビジブルビッグヒールエアを搭載。 リアフットには安定したクッション性を誇るフォアフットエアを挿入。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高い天然皮革としなやかなシンセティックのコンビを採用。 メッシュタンが必要な通気性を確保し、ストラップが甲周りのホールド感を向上。 |
システム |
P.U. Visible Big Heel Air Forefoot Air |
歴史背景 個人的感想 |
1996年、カレッジバスケットボール向けチームモデルとしてデビュー。 位置づけの関係上、元々チームカラーでの展開が非常に多かったモデルだったものの、時は90年代半ば。 USAチェーン店での別注カラー最盛期だったこともあり、数々の別注ベースとして採用。 AJ11に端を発したパテントブームに乗り、ノースカロライナブルーの色目が爽やかな印象。 このカラーリングはフットロッカーが手掛けたものとなります。 シューズとしては幅もゆったりしていて、90年代らしいポリウレタンのミッドソールにビジブルビッグヒールエアという柔らかめのクッション性。 足入れをしてみると重いかな?という気もしますが、甲周りのストラップがしっかりとホールドしてくれて一体感をもたらすため、気になるほどでもありません。 欠点を上げるとすれば、やはりシャンクの無さだと思います。 とりまわしの良さを重視した作りなのは理解をしたとしても、ガッチリとした台形のソールの割に少し不安定かな?と感じずにはいられなかった点は減点材料。 その点を含めても90年代っぽいな、と思う出来ではあります。 厚くとられたミッドソールはやはり加水分解の憂き目に。 写真の通り、変色をしてボロボロの末路でした。 当時、実用面で潰れた数の方が多いため、知っている人も多いでしょうし、カラーバリエーションが無数に出現したモデルだけに復刻のベースとしても選ばれやすい気も。 いつかマニアックなカラーで復刻が現れると面白いだろうな、と思うモデルですね。 |
モデル名 |
Nike Air Maestro ナイキ エア マエストロ(White/Varsity Red/Midnight Navy) 2004年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはグリップ性の高いドレッドパターンを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールにはポリウレタン素材を全面に使用し、安定したクッション性を発揮するヒールエア挿入。 |
アッパー |
アッパーにはしなやかなシンセティック素材を使用。 ダイナミックフィットインナースリーブが高いフィット感を提供。 |
システム |
Encap Heel Air P.U. Dynamic-fit inner sleeve |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA1993-94年にFlight系、トップレベルモデルとして発売。 名前がAir Maestroのままになっておりますが、順序で言うとAir Maestro 2にあたります。 ダイナミックフフィットと当時基準の軽量性の高さが人気の呼び、多くの選手が着用。 89年に本格的に始まったFlight系の普及に大きな貢献をしたモデルです。 シグネチャーというわけではないものの、NBAオールスターでスコッティピッペンが着用した真っ赤なカラーリングが突出したインパクトを与えたため、彼の準シグネチャーとして扱われることが多いモデル。 90年代半ばのナイキバブル時には、真っ赤のみ極端なプレ値が付いていました。 シューズとして評価をすると、正直、今の基準でいえば、たいしたこと無いモデル。 フィット感、重量感、クッション性、共に過度な期待をすると少し肩透かしを食らうと思います。 ハードルを下げて、レトロモデルとして評価をするならば、90年代特有のポリウレタンソールの柔らかさが前面に押し出されつつも、フィット感や屈曲性が伴ったバランスの良いモデル、という感じかと。 脚力の低い方でも履きやすくチューニングされている印象ですね。 欠点はやはり通気性。 そして脚力が低くても履けると言う意味で、クッション性もちょっと低いな、と感じます。 あくまでも当時のスピードプレイヤー向けというスペックなので致し方の無いところかと。 Flight系が成熟し始める前の雰囲気を味わいたい人には面白いモデルだと思いますが、裏を返せば、そつが無さ過ぎて味気ないモデルだと思います。 |
モデル名 |
Nike Air Pip 2 ナイキ エア ピッペン 2(White/Varsity Red/Black) 2003年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはフレックスグルーブを入れ込んだドレッドパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するファイロンを全体に使用。 フォアフットにはレスポンスを重視した分割式ズームエアである、アーティキュレーティドズームフォアフットエアを挿入。 リアフットにはヒールエアを搭載。 中足部にTPUシャンクプレートを入れ込むことで過度な捻じれを防止。 |
アッパー |
アッパーにはしなやかなシンセティック素材を採用。 ダイナミックフィットインナースリーブと余計なものを一切省いたプレーンなアッパーが高いフィット感を提供。 シューレースが細かく通ることで好みのフィット感に調節が可能となっております。 |
システム |
Phylon Articulated Forefoot Zoom Air Encap Heel Air TPU Shank Plate |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA1997-98シーズンに当時C・ブルズに在籍した、S・ピッペンのシグニチャーモデルとして発売。 レギュラーシーズンでは故障が多く着用機会が非常に少なかったものの、プレイオフ通して着用し2度目の3連覇を遂げたことでマニア層には響いているモデルと言えます。 前作までの華美な装飾から一転してのシンプルなフォルムは機能性のみを追求した仕上がり。 シンプルすぎて味気ないのが正直なところ。 たまたまとはいえ、ナイキバブルがはじけ飛んだ後の、一気にローテクへの揺り戻された当時のスニーカーシーンと被る印象が個人的はあります。 機能性としてはあくまでも接地感とレスポンスを重要視して開発。 細かく調節が出来るシューレースと相まって、シューズがしっかりと足に付いてくる感覚を得ることが出来ます。 クッション性に関しても、足裏にしっかりと入ってるなというのが良くわかります。 難点を挙げるとすれば、かなりロープロファイルに仕上げているのでクッションが早くへたる感覚。 そしてシューレースが細か過ぎて、足がむくんでくると、再度調整しなおすことが必須であること。 フィット感がタイト過ぎて痛くなります。 シューズとしては未だに実践にも使用できる基礎設計をギリギリ保持。 時代性としてシンプルな方向に突き進んでいたとは言え、あまりにもシンプルすぎますね。 もう少しS・ピッペンらしさをデザインに落とし込んでも良かったのではないかな、と思います。 機能性が十分なだけに、その点だけが個人的に残念ですね。 |
モデル名 |
Nike Air Force 180 Mid ナイキ エア フォース ワンエイティー ミッド(Black/White/Sport Royal/Varsity Red) 2004年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはグリップ性の高いヘリンボーンパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するポリウレタン素材を全面に使用。 ヒールには柔らかなクッション性をもたらすビジブルヒールエアを搭載。 |
アッパー |
アッパーにはしなやかなデュラバック(高耐久性人工皮革)を採用。 ダイナミックフィットインナースリーブとストラップが抜群のフィット感とホールド感を提供。 メッシュタンが必要な通気性を確保。 |
システム |
P.U. Visible Heel Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA1991-92シーズン、当時フィラデルフィア・76ersに所属していた、C・バークレーのシグネチャーモデルとして発売。 1992年バルセロナオリンピックのために結成された伝説的チーム、ドリームチームⅠでも着用され、オリンピックカラーを含め絶大な人気に。 当時バスケットボールでの実用面で評価が高く、ストリート使用に流れるデットの数が意外と少なかったことから、ナイキバブル時はかなりのプレミア価格で取引をされておりました。 「180 Air」の特徴としては、エア部分のアウトソールをエアの形状に沿って形成し、クリアカラーにすることで180度の可視化に成功。 エアの搭載量等々が増えたわけではなく、あくまでも可視化技術の進歩によるものと捉えるのが正しいと思われます。 履いた感覚は見た目の通り安定感重視志向。 一方でホールド感はガチガチでもなく、ストラップをしっかり締めて初めて成立するようなバランス。 フォアフットに関してはエアを搭載していないので、屈曲が良い反面、少し物足りなさを感じるかと。 その分、ポリウレタンそのものが若干柔らかめにチューニングされていると思います。 歴史的にこの後、エア搭載量の飛躍的進歩からオーバーデコレーション気味になっていくわけですが、1980年代中盤から続くプラスティックパーツの流れと1990年代初頭の過渡期感を詰め込んだ、ハイテクの手前感を十分に感じてもらえるモデルと言えるのではないでしょうか。 |
モデル名 |
Nike Air More Uptempo ナイキ エア モア アップテンポ(Midnight Navy/Midnight Navy/White) 1996年発売 |
アウトソール | アウトソールにはヘリンボーンの変形パターンと重厚なソールに屈曲性を持たせるための溝を深めに完備。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 最高のクッション性を誇る、スリーピースビジブルエアを全体に搭載。 |
アッパー |
アッパーには重厚かつしなやかな天然皮革とシンセティックのコンビを使用。 メッシュタンを採用することで必要な通気性を確保。 デザインのアクセントに一役買っている「AIR」の文字が、サイドへの補強とブレをなくし、安定感を向上させてくれます。 |
システム |
P.U. Three Pieces Visible Air |
歴史背景 個人的感想 |
NBA1996-97シーズン・プレイオフ、当時C・ブルズに在籍した史上最高のNo.2プレイヤー、S・ピッペンのシグニチャーモデルとして発売。 1996年アトランタオリンピックに向け、オリンピックカラーも同時期に登場。 ドリームチームⅠ以来の豪華絢爛メンバーで結成されたドリームチームⅢに華を添えるべく、用意されたモデルもカラーリングが秀逸の一言。 星条旗をモチーフにしたカラーリングや金メダルを連想されるカラーリングが多数用意され、着用選手の背番号が刺繍されました。 発売当時国内はナイキバブル絶頂期。 ボリューム感と存在感のあるAirの文字がアウトドア系及びHip Hop系ファッションに広く受け入れられ人気が爆発。 相当数が国内外問わず流入したにも関わらず、売り切れ店舗が続出しました。 実際に魅力的なモデルが多かった歴代Uptempoカテゴリーにおいても、一つ抜けた存在として認知。 数年に一回復刻をされても、いつの間にか無くなってしまう人気モデルとして未だに君臨しております。 また、このモデル辺りを契機に、徐々に衰退をしていったForceカテゴリーと入れ替わるようにUptempoカテゴリーが台頭。 2000年まではUptempoカテゴリー隆盛の時代を迎えることとなります。 履き味は見ての通りドッシリ感が前面に来て、その上で柔らかめのソール感が足裏を包む感覚。 フィット感も甲にゴムベルトが付いているため悪くなく、TPUなどが入ってないので思ったよりも屈曲も良いです。 ただ、問題点を挙げるなら重量。 やはり見た目の通り重たい事は否めません。 また、サイドアッパーに施されたAirの文字形状もあって、縫い目が多く、人によっては足当たりが悪いかと思われます。 個人的にはこのスリーピースビジブルエアの履き味がナイキの中では一番柔らかいと感じているので、デザインも含め、フェイバリットモデル。 ここまでAirを前面に押し出したデザイン性は無いですし、突き抜けたモノを感じますね。 本当に別注が掛けたくて仕方がないモデルです。 |
モデル名 |
Nike Air Bakin' ナイキ エア ベーキン(Black/Metallic Silver/V.Red/Orange) 2007年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはオーソドックスなドレッドパターンを耐摩耗性に優れたDRC素材に採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには軽量かつ安定したクッション性を発揮するファイロンを全体に使用。 リアフットには抜群のクッション性を誇るマルチチャンバーエアを搭載。 リアフットには安定したクッション性を誇るフォアフットエアを挿入。 |
アッパー |
アッパーには軽量でしなやかなシンセティックレザーを採用。 メッシュブーティーを採用することで必要な通気性とフィット感を確保。 シューレースが細かく通ることで好みのフィット感に調節が可能となっております。 |
システム |
P.U. Forefoot Air Blow Molded Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA1997-98シーズン、当時C・ブルズに在籍したD・ロッドマンのモデルとして開発。
しかしながら、D・ロッドマンのConverse移籍により、M・ヒートに在籍した、T・ハーダウェイのシグネチャーモデルとして変更発売。 発売後即、ヒール及びタンに刺繍されたAirの文字がイスラム教における神様「アラー」に見えるというクレームが付き、大問題となって回収。 とにかく最後の最後までいわくの付いたお騒がせモデル。 日本国内で販売された分に関しては、基本的に問題とならなかったため、それなりに流通。 しかしながら、ナイキバブル末期だったこともあり、そこまでの盛り上がりは無く、いつの間にか消えていった印象があります。 そういった部分を改善し、2007年に海外にて復刻。 タイミング的に国内のバスケットボール漫画にて着用している選手がいたため、国内流入分は即完売するという不思議な現象を引き起こしました。 個人的な感覚としては、まず硬い。 アウトソールのDRC素材がかなりきいているんだとは思いますが、とにかく硬い。 フォアフットなんかエア本当に入ってるんだろうな?と思ってしまう程。 そんな硬いソールの割には、曲がるアッパー。 もちろん通気性もかなりのもの。 チグハグさばかりが前面に出されている感じではあるのですが、実験的な部分も一つ。 シューレースが細かく調整可能だと言うこと。 2000年辺りまではシューレースが細かく、とにかく自分好みにフィッティング出来るようなモデルが多数生まれます。 その先駆け的なモデルと言っても良いかと。 様々な部分で中途半端ゆえ総じて判断に困るモデルではありますが、好きな人には好きなモデルと言えるのではないでしょうか。 |
モデル名 |
Nike Air Max Tempo ナイキ エア マックス テンポ(White/Black/Metallic Silver) 2001年(?)復刻 |
アウトソール | アウトソールにはアップテンポマークを意識した変形式パターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 (カタログ表記上はファイロンになっていますが、オリジナルにおいて加水分解をしているものが大多数ですので憶測ではありますがポリウレタン素材と表記させていただきます) 前足部、中足部、後足部に独立したビジブルエアを配置し抜群のクッション性を誇るトリプルエアを挿入。 |
アッパー |
アッパーにはしなやかなデュラバック(高耐久性人工皮革)と天然皮革のコンビを採用。 ダイナミックフィットインナースリーブとシューレースの間に組み込まれたゴムストラップが抜群のフィット感とホールド感を提供。 メッシュタンが必要な通気性を確保。 |
システム |
P.U. (Phylon) Triple Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA1995-96シーズンに登場。 シグネチャーの看板こそ付きませんでしたが、ナイキはアップテンポカテゴリーを当時シカゴ・ブルズで活躍したスコッティ・ピペンのオールラウンダーなイメージとリンクさせプロモーションをしたことから、準シグネチャー的なモデルとして見られていたモデルです。 正式名称はエア マックス アップテンポのはずなのですが、復刻当時USAの大手チェーン Foot Locker にUptempoカテゴリーをリース(譲渡?)していたため、名称が簡略化されてリリース。 現在では名称権が戻っているにもかかわらず、生産時期によって名称がバラけている不思議なモデルです。 オリジナル販売時期がAJ11やZoom Flight 95'などの名品と被っていた関係もあり、中足部までエアが可視化するという偉業を成し遂げたモデルにもかかわらず、国内では歴史的に意外と影が薄いのが特徴。 海外ではシンプルなデザイン性としっかりした機能性から長年にわたって愛用するNBAプレイヤーがいたり、スポット的な限定モデルに選ばれることも多く、温度差を感じさせるモデルでもあります。 エアの可視化の過程において更に加速し、結果270°可視化されたフルレングスビジブルエアまで90年代のうちに辿り着くわけですが、クッション性に対して屈曲性と安定性が伴わず(損なわれることが多く)、バランスが悪いモデルが多く生まれていきます。 その中である意味、丁度中間的な立ち位置のテクノロジーゆえ、その辺りがギリギリ損なわれずバランスが取れているように思えます。 もちろん、シャンク系を内蔵しているわけではないので過度な捻じれに対して強いわけではないのですが、それでも取り回しの良いモデルだと言えますね。 個人的には踵周りが若干合わないらしく、少しアキレス腱部分が擦れて必ず靴擦れが起こってしまう悲しいモデル。(個体差かも?) なので絶対に絆創膏必須。 実際に履いていて重量の割には軽快なモデルなので、このソールを流用した新作が出てくれると良いな、と強く思います。 |
モデル名 |
Nike Air Max2 CB ナイキ エア マックス スクエア シービー(Black/White/Pure Purple) 2010年復刻 |
アウトソール | アウトソールには変形式ドットパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 リアフットには抜群のクッション性を誇るマルチチャンバーエアを搭載。 リアフットには安定したクッション性を誇るフォアフットエアを挿入。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高いフルグレインレザーとしなやかなデュラバック(高耐久性人工皮革)を採用。 ダイナミックフィットインナーが抜群のフィット感を提供。 メッシュタンが必要な通気性を確保。 インディビジュアルレースロックシステムがシューレースの緩みにくさと確実なホールド感をもたらしてくれます。 |
システム |
P.U. Forefoot Air Multi Chamber Air Individual Lace Locks |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1994年FALLにフェニックス・サンズに所属していたチャールズ・バークレーのモデルとしてデビュー。 前年度にNBAファイナルまで導き、選手として絶頂期にあったバークレーのモデルとして市場に高いインパクトを与えるべく開発。 拘束衣をモチーフにされたデザインと新機能であったマルチチャンバーエアが非常に斬新なモデルとして好意的に受け入れられました。 また、当時一新されたマルチチャンバーエア搭載モデル用の箱が非常にクールだったのを覚えています。 シューズとしてはクッションとアッパーのバランスが良いので履きやすい部類のモデルではないでしょうか。 問題点としてあげるならば、ダイナミックフィットインナーとインディビジュアルレースロックシステムが相まって、かなりのホールド感であるということ。 それが原因で履いてると浮腫んで足が痛くなる人は痛くなるみたいです。 サイズ感的にはトウ周りが若干狭いのでサイジングに若干注意が必要です。 また、インディビジュアルレースロックシステムは接触等々をすると割れたり、抜けたりする例もあるので耐久性としては脆いようですね。 現在でもNBA選手が着用をしていたりしますので、そこそこ実用的なモデルだと思います。 数年に一度定期的に復刻をしているので、買いやすいモデルと言えるのではないでしょうか。 |
モデル名 |
Nike Air OB Raid ナイキ エア レイド(Black/Citrus/Lt.Ultramarine) 2003年復刻 |
アウトソール |
アウトソールにはフレックスグルーブを入れ込んだ独自パターンを採用。 素材が非常に硬質なラバーゆえ、For outdoor use onlyの文字が刻まれています。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 リアフットには安定したクッション性を誇るヒールエアを搭載。 |
アッパー |
アッパーには通気性の高いメッシュとしなやかなデュラバック(高耐久性人工皮革)を採用。 クロスストラップを採用し、高いホールド感を確保してくれます。 |
システム |
P.U. Encap Heel Air Cross Strap |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1992年に発売。 Nikeの掲げるインターナショナル戦略の一環として、当時世界的なブームとなっていた、3 on 3専用のモデルとして、鮮烈にデビュー。 バルセロナオリンピックで大活躍したTeam USAの影響もあり、世界中でヒットしたモデルとして歴史に刻まれております。 当時M・ジョーダンの後継者として将来を嘱望されていたS・スーパーソニックス所属のケンドール・ギルがストラップを切ってNBAで着用していました。 日本国内でも例に漏れず、ストリートバスケットボールブームが到来。 フットロッカー等のUSA大手フランチャイズショップがカラー別注を数多く手がけ、それに便乗するような形で国内にも数多くのカラーリングが流入。 渋カジ&古着ブームで増殖したセレクトショップを中心として、幅広く取り扱われたことが国内での人気につながったといえます。 オリジナルにほとんど忠実に作られていますが、国内版に関しては「Air Raid」というモデル名の商標をasicsが保有しているため、クロスストラップのマジックテープ部分デザインがスウォッシュに変更。 海外版では通常通りのデザインのままリリースとなっております。 シューズとしてはやはりアウトドアユースを前提に考えて開発されているだけあって、クッション性が硬いモデルだと思います。 アウトソールの硬さが履き心地に影響していることは間違いないでしょう。 インソールを現代のテクノロジーでアップデートするだけでもだいぶ印象が変わるかもしれません。 アッパーに関してはストラップ以外プレーンですのでストレスは無いですね。 ストラップをきっちり〆ると、サイドにせり出しているラバー部分が当たって痛い事もありますので、サイズをハーフアップすることも場合によっては必要かと思われます。 個人的にはこの1が売れることで後発の2も復刻してくれないかな?と淡い期待を抱いていたのですが(筆者は2が個人的に好み)、流通量も非常に多かったということもあり、値段が暴落。 2が復刻するような話は何一つ無く、アウトレットに大量に流れる末路となってしまいました。 ファッション的観点から見ると、適度なボリュームと適度なハイテク感を持っているのでアクセントとして非常に使い勝手の良いモデルと言えます。 値段もこなれていることもあり、一足くらい手元にあっても良いのではないでしょうか。 |
モデル名 |
Nike Air 2 Strong Hi ナイキ エア 2 ストロング ハイ(White/Black) 2002年復刻 |
アウトソール | アウトソールには変形式同心円状パターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 リアフットには抜群のクッション性を誇るマルチチャンバーエアを搭載。 リアフットには安定したクッション性を誇るフォアフットエアを挿入。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高いフルグレインレザーを採用。 メッシュタンが必要な通気性を確保。 アンチインヴァージョンストラップシステムが足首の保護と確実なホールド感を提供。 |
システム |
P.U. Forefoot Air Multi Chamber Air Anti Inversion Strap |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは人気の高かったAir Storongの続編モデルとして1995年FALLにデビュー。 特定選手のモデルでは無いのですが、アイコンとしてデビット・ロビンソンを採用。 ストラップがついていたこともあって、フォワード・センター系のプレイヤーに愛されたモデルと言えます。 また、NCAAのチームモデルとしても提供されていたため、無数のPEが存在することも特徴的。 その辺りがツボなマニアの方にはたまらないモデルの一つです。 ナイキバブルの象徴ともいえるAir Max 95'と同期ではありますが、極端にプレミア化したということも無く、むしろプレイヤーの実用で玉数が少なくなったモデルだと言えると思います。 あまり街で見なかったですしね。 履くときに問題になるのが、ストラップ。 伸縮系の素材を使っているのでストラップが届かないなどといったことはないのですが、かなり締めあげる感じになりますので街履きには不向きだと思います。 逆を言えばプレイで使う人には良いのではないでしょうか。 履き心地的には硬くも無く、極端に柔らかくも無い、という感覚ですね。 マルチチャンバーエアの割にはヒールが沈む感覚になりませんので、ミッドソールが少し堅めにチューニングされてる証拠でしょう。 少々マニアックなチームモデルではありますが、90年代を掘り下げたい方には面白いモデルだと思います。 |