KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
モデル名 |
Red Wing Iron Ranger For Brooks Brothers レッド ウィング アイアン レンジ ブルックス ブラザーズ別注(Antique Brown) 2011年発売 |
アウトソール | アウトソールにはビブラム社のロガー系アウトソールをグッドイヤー・ウェルト製法にて装着。 |
ミッドソール |
ミッドソールにはクッション性と吸湿性に優れたコルク。 捻じれと返りをスムーズに制御するシャンク。 ソールとの縫い付けを行うウェルトで構成。 |
アッパー |
アッパーには独特の風合いを持つ、カクタスレザーを使用。 トウには安全のためにレザーを二重構造としたキャップドトウ方式を採用。 踵インナーの足当たりの良さと補強を兼ねて、アウトポケット方式を選択。 革の下部を踵に沿う形として外側から縫付け、踵周りを両サイドから包み込むように補強。 |
システム |
Vibram Sole Capped Toe Out Pocket Good-Year Welt Construction |
歴史背景 個人的感想 |
2008年、レッド ウィング社は自社のルーツでもあるミネソタ州で19世紀後半に働いた鉱山夫の足元からヒントを得て、このモデルを開発。 ミネソタ州スペリオール湖付近が特に鉄鉱石の埋蔵量が多く、その地域を「アイアンレンジ」と人々が呼んだことから、転じてブーツ名としました。 当時のディティールを追及して製造をしているため、クラッシックな特徴のスペックが随所に。 キャップドトゥ方式はつま先に鉄板の入ったスチールトゥがまだ開発されておらず、安全のために採用。 壊れやすい踵周りを補強し、その上快適にしなければならなかったため選択されたアウトポケット方式もクラシカルな手法と言えます。 そういった、当時の鉱山夫の要求を満たしつつ、レッド ウィングらしさを落とし込んだこのモデルに対し、アメカジの雄「ブルックス ブラザース社」が別注をかけたのがこのカラー。 通常版のアイアンレンジと大きく違うのはソール。 通常版に装着されているソールはニトリル・コルク・ソールと言って、樹脂にコルクを砕いたものを混ぜ合わせ、軽量化とグリップ性、耐油性を高めたものです。 そのソールをビブラム社のロガー系モデルのオリジナルソールに変更。 通常版に比べ、重厚感を増した出来上がりとなっております。 また、カクタスレザーという聞きなれないレザーを使用し、まさしくアンティーク家具のような色合いのブラウンに仕上げ上品さをかもし出す事に成功。 まさしく大人のブーツといった表情といえます。 フィッテングに関しては、正直この「ラスト#8」と言われる幅は狭いです。 海外別注モデルなので、ウィズがDしかない、というのも問題なのですが、この辺りは履きこんで自分の足型に伸ばしていくしかない、という感じですね。 履き心地に関しては、ブーツの中ではそれなりだと思うのですが、その分重量があるので、一日履くと結構きついです。 グッドイヤー製法の特徴を生かし、コルクが沈み足の形になるまでは我慢という感じでしょうか。 また前述した幅の関係上、厚めのインソールを入れ込むことは難しそうなので、その辺りはフィッティングに研究の余地ありでしょう。 クッション性が高い薄めのインソールで調節するしかないと思います。 総じてブーツとしてのポイントが高く、アイリッシュセッターを通り越した、大人のアメカジを楽しみたい方にお勧めしたい一品ですね。 |
モデル名 |
Timberland 6 Inch Premium Boot 10034 ティンバーランド 6インチ プレミアム ブーツ 10034(Black Waterproof) 1996年発売 |
アウトソール | アウトソールには生ゴム系クレープソールを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールにはクッション性と吸湿性に優れたコルク。 捻じれと返りをスムーズに制御するシャンク。 ソールとの縫い付けを行うウェルトで構成。 |
アッパー |
アッパーにはフルグレイン・ウォータープルーフ・ヌバックレザーを採用。 履き口周りに厚手のパフを入れ込むことでアキレス腱周りの保護とスムーズな使用感を実現。 |
システム |
Creap Sole Genuine Waterproof Nubuck Leather |
歴史背景 個人的感想 |
1973年、完全防水レースアップブーツを誕生させたTimberland社が大ブレイクするきっかけとなった6 Inch Premium Boot。 1990年代中旬に東海岸を中心としたヒップホップファッションが国内に流入し、一躍アウトドアカジュアルが人気となったことで、国内でも多くの場所で取り扱いがスタート。 とりわけ#10061、通称イエローヌバックと呼ばれる品番が圧倒的に人気を博す事になります。 2000年にティンバーランドジャパンが設立され販売チャネルを広げたことで、それまではアウトドア系またはヒップホップ系のみが着用していたイメージから脱却し、一般消費者層にも定着。 以後、ブーツの定番ブランドとして世に知られております。 個人的には当時まずはイエローヌバックを買わなきゃ、と言った風潮に対しアンチの姿勢だった事もあり、ブラックヌバックを選択。 あまり人と被ることも無く、コーディネートがしやすかったため重宝していました。 若かりし頃履き倒しソールがかなり削れたため、何足か買い足すうちに一時的に引退をさせていたのですが、実験的にアッパーの丸洗いクリーニングを行い、まだ十分に使用できる事を確認。 せっかくなので、東京の福禄寿さんへリペアを依頼。 リペアのポイントとしては、本来マッケイ製法のソールなのでシャンク関係がまったく入っていない事もあり、その辺りを改良出来ないか?ということ。 また、履きこんだフィールドブーツという点から脱却させるため、あえてクレープソールに変更してみる、ということ。 クレープソールだとバランスが難しい、とのことでしたが、仕上がりは予想以上で、縫製も美しく、履き味もかなり柔らかくなりました。 クレープソールをこの手のフィールドブーツに使用するなら、このようなシャンクが一枚噛んでないと不安定になる事を体感。 そこそこのお値段が掛かりましたが、それ相応の価値を得られたと個人的には思います。 亜流と言われればそれまでではありますが、こういった楽しみ方もある、ということで紹介をさせていただきました。 |
モデル名 |
Asics Gel-Speedstar 5 アシックス ゲル スピードスター 5(White/Black/Silver) 2011年発売 |
アウトソール |
アウトソールにはフレックスグルーブを入れ込んだデュラスポンジアウトソールを採用。 中足部にRacing Trusstic Systemを入れ込むことで過度な捻じれを制御。 |
ミッドソール |
ミッドソールにはE.V.A.と衝撃吸収に優れたSpEVAを混ぜ合わせたSolyteを採用。 ヒールには安定した衝撃吸収性を誇るGELを搭載。 インソールの下にはFull Length Solyte® 45を張り合わせることで、足当たりの良さを確保。 |
アッパー |
アッパーには一切の縫い目を排除したOpen Meshを採用。 またシューレースを左右アンシンメトリーに配置することで甲に負担をかけることなく、しなやかなフィット感を調節可能。 抜群の通気性と軽量性、そして快適性を誇ります。 |
システム |
Rearfoot GEL Full Length Solyte® 45 Solyte DuraSponge Racing Trusstic System |
歴史背景 個人的感想 |
中級レーサー向けシューズとして開発されるGel-Speedstarシリーズの5作目。 今作に関しては国内未発売。 ですが、ゼビオ系列だけ国内では扱っていたらしく、たまたま捕獲。 1~4までの流れとは打って変わったデザイン性が目を引いていて、輸入を迷っただけに良い買い物だったと思います。 シューズとして特徴的なのは、やはりアッパーデザイン。 メッシュの上に薄い樹脂を張り合わせ、一切の継ぎ目をなくしたオープンメッシュがビックリするほど快適性をもたらしてくれます。 通常、これほど軽量だとソールとのバランスが悪かったり、クッション性が悪かったりと、一長一短がそれなりに出てくるものなのですが、サイズさえちゃんと合っていれば、かなり秀逸な部類かと。 全体のバランスが良くまとまっていると思います。 またアンシンメトリーなシューレースが圧迫感を無くしてくれている点も快適さの要因と言えますね。 クッション性も街履きには丁度いいレベルです。 アシックスと言えば、数年に一回こういうモデルをポロっとリリースする歴史があり、不思議なくらい評価されないままいつの間にか忘れ去られる、というのを繰り返してます。 国内でのイメージがあくまでもけれん味の無い競技志向のデザインというのが定着しているのも大きな理由ですが、もう少しこう言ったモデルをフックアップすることで全体のイメージを改善してくれると良いのにな、と個人的には思いますね。 履き心地含め面白いので、ハイテク好きには是非試していただきたいシューズです。 |