KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
モデル名 |
Nike Air Wildwood ナイキ エア ワイルドウッド(Black/Pimento-Lt Z Grey-Lt Ghr) 2003年復刻 |
アウトソール | アウトソールには安定性の高いブロックパターンを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールにはポリウレタン素材を全面に使用し、安定したクッション性を発揮するヒールエア挿入。 |
アッパー | アッパーには剛性の高い天然皮革を採用。 |
システム |
Encaped Heel Air P.U. |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1989年。 ACGという冠のついた、初めてのランニングモデルとしてデビュー。 悪路に対応をするトレイルランニングの元祖と言われております。 スペック的にはちょっとだけアッパーに気を遣いました程度で、防水や防塵のための特殊機能が付いているわけではありません。 まずは始めました、という紹介レベルのプロダクトイメージが先行していると思います。 シューズとしては履きやすい感覚。 アウトドアを思考しているだけあって、ヒールが浅い割にはホールド感が良く、アッパーもすんなり馴染むため意外とストレスが少ない印象です。 クッション性も薄めですがフラットな足当りのせいか、そこまで疲れなかったり、少し不思議な気がします。 欠点を上げるとすれば、ミッドソールの塗装でしょう。 写真を見ていただくと分かるように、ガンガン割れます。 アッパーとの剛性バランスが悪すぎるため、すぐに壊れてしまう、というのは致命的かと。 復刻されると往々にして、良いカラーリングが生み出されることが多いので、もう少し堅牢度を高くしてもらえると嬉しいモデルと言えますね。 |
モデル名 |
Nike Air Moc ナイキ エア モック(Black/Straw-Black) 2006年復刻 |
アウトソール | アウトソールには丸みを帯びたブロック状の「ナイキリグラインドアウトソール」を採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールそのものは存在せず、アウトソールの上にフルレングスエアを搭載。 その上に通常のペラペラのインソールを挿し込む形状。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高い天然皮革を採用。 ドローコードを引っ張ることでフィット感を調節。 |
システム | Full Length Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1996年Springにデビュー。
アウトドア後のリラックスシューズという位置づけで開発。 発売された時期がナイキバブルまっただ中だったことと、当時雑誌等で推されていた「なんちゃってアウトドア」な風潮とあいまってストリートでもプチブレイク。 ケレン味溢れるモデルが主だったハイテクブームの中で、シンプルなフォルムがアンチハイテク派を含め幅広い層に支持されたこともあって、オリジナル販売後も数年に一回のスパンで復刻をされております。 履き心地としてはフルレングスエア搭載で、ミッドソールそのものが存在しない割にはエア感覚が乏しい事。 そして意外と硬いですね。 脱ぎ履きは見ての通り楽ちんそのもの。 逆にホールド感は無く、捻じれにも弱いため、段差等で不意に足をひねりそうになることも。 ちょっと良いサンダルくらいの位置づけであれば問題ないのだと思うのですが、従来のACG的なイメージで履くとイメージとのギャップを感じるかと思われます。 近年、存在感を無くしつつありありますが、シンプルなだけに低価格でNike iDのカスタムベースに選ばれれば、素材含め面白いことが出来る気がしますね。 |
モデル名 |
Nike Air Mowabb ナイキ エア モワブ(Cream/Bright Mandrin/Camel/Black) 2004年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはシンプルなドッドパターンとフラットパターンのコンビを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 安定したクッション性を誇るフォアフットエア、ヒールエアを前後に搭載。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高い天然皮革を採用。 ハラチフィットシステムを採用したインナーにはライクラとネオプレーンを組み合わせた合成繊維を使用することで高いフィット感を実現。 TPUヒールカウンターが過度な捻じれを防止。 |
システム |
P.U. Encap Heel Air Forefoot Air Huarache Fit System |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1991~92年に展開。 当時ナイキの提唱していた「アウトドア・クロストレーニング」というコンセプトの元に開発されデビュー。 名前の由来は、エクストリーム系アウトドアの聖地であるユタ州「モワブ」(Moab)という地名から。 初期acgのいかにもトレッキングな流れから、機動性を重視した作りになったのはこのモデルから。 当時の22000円と言う破格値もさることながら、当時の考えうる技術を詰め込んだ機能性に仕上がっております。 90年代半ばのナイキバブル時にはコアなacgファンが一気に増殖したこともあり、ヴィンテージ市場ではかなりの価格で推移。 古着との相性も良かったことから、古着屋で見つけることが多いモデルでもありました。 20年の時を経て、待望の復刻。 オリジナルとの違いはそう大きくはないようですが、全体的に明るい色目の印象。 特にオリジナルとの履き心地は違うようですね。 そういったことを置いておいて判断すると、見た目以上にゆったりしていて履きやすいモデルだと思います。 屈曲も良いですし、フィット感も強すぎるわけでも、弱すぎるわけでもなく、丁度良い感じ。 2度の復刻を遂げながらも、そこまでカラバリが増殖しなかったのは残念の一言。 acgの名作からサンプリングして落とし込んであげれば、それなりに売れたのではないかな?と。 これで山登りするか?と聞かれれば、しませんが、足元にちょっとしたアウトドアテイストを入れる分には無難なモデルではないでしょうか。 |