KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
モデル名 |
Nike Air Wildwood ナイキ エア ワイルドウッド(Black/Pimento-Lt Z Grey-Lt Ghr) 2003年復刻 |
アウトソール | アウトソールには安定性の高いブロックパターンを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールにはポリウレタン素材を全面に使用し、安定したクッション性を発揮するヒールエア挿入。 |
アッパー | アッパーには剛性の高い天然皮革を採用。 |
システム |
Encaped Heel Air P.U. |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1989年。 ACGという冠のついた、初めてのランニングモデルとしてデビュー。 悪路に対応をするトレイルランニングの元祖と言われております。 スペック的にはちょっとだけアッパーに気を遣いました程度で、防水や防塵のための特殊機能が付いているわけではありません。 まずは始めました、という紹介レベルのプロダクトイメージが先行していると思います。 シューズとしては履きやすい感覚。 アウトドアを思考しているだけあって、ヒールが浅い割にはホールド感が良く、アッパーもすんなり馴染むため意外とストレスが少ない印象です。 クッション性も薄めですがフラットな足当りのせいか、そこまで疲れなかったり、少し不思議な気がします。 欠点を上げるとすれば、ミッドソールの塗装でしょう。 写真を見ていただくと分かるように、ガンガン割れます。 アッパーとの剛性バランスが悪すぎるため、すぐに壊れてしまう、というのは致命的かと。 復刻されると往々にして、良いカラーリングが生み出されることが多いので、もう少し堅牢度を高くしてもらえると嬉しいモデルと言えますね。 |
モデル名 |
Nike Air Footscape Woven 360 ナイキ エア フットスケープ ウーブン 360(Black/Classic Green) 2006年発売 |
アウトソール | アウトソールには安定性の高いワッフルパターンをエアのふくらみに合わせ、最適なグリップを発揮するよう戦略的に配置。 |
ミッドソール |
ミッドソールには従来のポリウレタンやE.V.A.素材を全く使うことなく、Airのみで構成された360°Airを全面に搭載。 ペバックスケージにより過度なねじれを防止し、安定感を高め、その上前足部の屈曲性を損なわないような加工が施されております。 |
アッパー | アッパーには柔らかなスエードとウーブン素材を採用。 |
システム |
360°Air Pebax cage |
歴史背景 個人的感想 |
こちらのカラーリングは、2006年、360°Airを使用したスカルパックの一環で発売。 元々、コンフォート色の強いモデルだった、フットスケープ ウーブンを無理やり360°Air化したのは、素直に言って失敗。 ただでさえ腰の強いクッション性の360°Air Soleに、ふにゃふにゃのアッパーに合わせても、ソール周りに重量配分が行き過ぎて、履いていても、なんだか重りが付属しているような感覚。 これでフィット感の高いアッパー素材や造りであれば、少しは軽減されたかもしれませんが、このアッパーではどうあがいても無理。 無理やり感、バランスの悪さ、360°Airをどうにか普及させたいという企画だけが先行した感じ、全てをひっくるめて、非常に残念なプロダクトだと個人的に思います。 このアッパーにはロープロファイルかつクッション性豊かなソールが合っていると思うので、そういった形でちゃんとリリースしてくれれば良いな、と強く願います。 |
モデル名 |
Nike Air Max Light ナイキ エア マックス ライト(Black/White-Bright Cactus-Orange Blaze) 2007年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはストレートパターンとワッフルソールのコンビを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールにはポリウレタン素材とファイロンのコンビを採用。 (ファイロンと言われていますが、現在のファイロンとは違うと思われます) リアフットには柔らかなクッション性を誇るビジブルヒールエアを搭載。 リアフットには安定したクッション性を誇るフォアフットエアを挿入。 |
アッパー | アッパーには天然皮革、シンセテックと通気性の高いメッシュのコンビを採用。 |
システム |
P.U. Phylon Forefoot Air Visible Heel Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1989年スプリング、二代目Air Maxとしてデビュー。 とはいえ、2の冠はつかず、軽量化でシリアスランナーに更に対応をした、という意味を込めて「Light」と命名。 ストイックな出生にちなんでか、歴代の「Light」モデルは全て、無駄をそぎ落としたアスリートスペックとしての系譜を描き出すことになります。 外観としては次作3に通ずる、プラパーツ使い。 そして軽量化のために素材を変更して、前後分割されたミッドソールに特徴を感じますね。 シューズとしては、やはり初代の延長上にあることを感じさせる出来栄え。 素材の関係上、初代よりも弾力性のあるミッドソールに仕上がっています。 アッパーに関しては、甲が低めでトウ周りが若干狭いので、サイズには少し注意が必要かと。 履き手によってはプラパーツのあたりが出る可能性がありますね。 歴代エアマックスモデルの中でも、地域によってかなり温度差のあるモデルとして挙げられ、ヨーロッパでは2007年以降は定期的に復刻しているため、美色が多く、高い定着度を誇ります。 一方国内では、90年代半ばのナイキバブル時もどちらかと言えば、マイナーな存在だっただけに、なかなか取り扱いが少ないのが玉にきず。 歴代の「Light」も別注・復刻ベースとしては面白いモデルだと思いますので、何かしらの形で認知されて欲しいシリーズの一つと言えるのではないでしょうか。 |
モデル名 |
Nike Air Max Plus Leather ナイキ エア マックス プラス レザー(Black/White/Varsity Red) 2006年復刻 |
アウトソール |
アウトソールにはグリップ性の高いワッフルパターンを採用。 中足部にTPUを入れ込むことで過度な捻じれを防止。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するファイロンを全面に使用。 フォアフットには従来のフォアフットエアの3倍以上もの衝撃吸収性を誇るビジブルフォアフットエアを挿入。 リアフットにはクッション性と安定性を両立させたチューンドエアを搭載。 |
アッパー | アッパーには剛性の高い天然皮革とシンセティックのコンビを採用。 |
システム |
Visible Forefoot Air Phylon Tuned Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1998年10月、フットロッカーグループ「型別注」のモデルとして発売。 当時最先端の技術を導入して開発されたチューンドエアをインラインモデルではなく、型別注モデルに先行して搭載した事。 そして流線型のフォルム、流通量の少なさから、希少価値が高まり、エアマックスとして久々にヒット。 国内スニーカーセレクトショップがこぞって輸入し、それなりの高額な流通だったにも関わらず、完売が続出。 結果、インラインにも加えられ、一時的なブームを生みました。 以後、度々海外でのみ復刻。 特にUKでの人気は未だに凄まじく、footlocker UK系列では継続的に販売。 国内における95のような定着具合といっても過言ではないでしょう。 履いた感覚としては、チューンドエアに内蔵されたサスペンションパーツ(ペバックス半球体)が独特の張りを生み出しているのを感じるかと。 復元力の強いパーツゆえに硬く、クッションの返りが強いため、好みの別れるシステムだと思います。 重量感は軽くもなく、重くもなく、と言った中庸。 スピードシューレースながらもトップホールはアッパーに開いているのでフィト感の悪さを感じる事は無いと思われます。 問題を一つあげるとすれば、サイズ調整が難しい点でしょう。 トウ先にTPU補強が入っている事。 そして、甲が若干低く、トウボックスが狭い事を考えると典型的な日本人の足にとっては優しくない作り。 履き手によっては、ハーフサイズアップをしなければ、きついと思われます。 この使い手を無視したかのようなスペックが、未だに消費者を魅了していることも事実。 扱いづらいスポーツカーのような不思議な魅力のあるモデルと言えますね。 |
モデル名 |
Nike Elite (VNTG) ナイキ エリート(ヴィンテージ加工)(Industrial Blue/Metallic Silver-CV Purple) 2007年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはグリップ性とクッション性を兼ね備えたワッフルパターンを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールには安定したクッション性を発揮するE.V.A.を搭載。 |
アッパー | アッパーには通気性の高いナイロンと天然皮革のスエードを採用。 |
システム | E.V.A. |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1977年に発売。 1975年に稼動し始めたニューハンプシャー州・エクセター直営工場の恩恵をダイレクトに受けたプロダクトとして有名な一品です。 当時トップモデルにおいて、ミッドソールを「硬質スポンジ」から「E.V.A.」にアップデート。 クッション性の良さをアスリートに知ってもらい、大々的に謳ってもらうために、多くの選手にスペシャルメイクアップカラー(S.M.U.)を支給。 当時のカタログではロイヤル/イエローの一色のみの展開だったものの、S.M.U.や地域限定、支社限定など枚挙に暇が無いほどカラーリングが生み出されました。 特にS.M.U.に関しては、前述した直営工場での生産が一役かったそうです。 また権威あるランナーズワールド誌、1977年Racing Flats部門で1位を獲得するなど、その後のブレイクにつながる評価を獲得。 結果、1981年まで生産され続ける息の長いプロダクトとなっていきます。 国内では定価7800円にて販売。 当時の為替相場を考え、比較すれば、いかに高価なものだったかよくわかるかと。 ヴィンテージブームの折には、Made In U.S.A.の名品として雑誌媒体が紹介。 カラーリングが無数にあることも手伝って、高い人気とプレミアム価格を誇りました。 レトロ化は2005年よりスタート。 こちらは2007年から展開されるヴィンテージシリーズの一環としてリリース。 良いのか悪いのか良くわからないほど特殊なカラーリングに魅かれ購入。 長時間着用できるような履き心地ではありませんが、当時の雰囲気を楽しむには良いかと。 現在も何かしらの形で継続生産されているモデルですので、お気に入りのカラーリングを見つけるのも楽しいかと思います。 |
モデル名 |
Nike Air Max '97 Classic ナイキ エア マックス ’97 クラッシック(Metallic Silver/Varsity Red-White-Black) 2006年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはフレックスグルーブを入れ込んだワッフルパターンを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールにはポリウレタン素材を全面に使用し、高いクッション性を発揮するフルレングスマックスエア挿入。 |
アッパー | アッパーには硬めのメッシュとしなやかな人工皮革のコンビを採用。 |
システム |
Full Length Max Air P.U. |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1997年Fallより展開。 国内で90年代中盤に起こった、ナイキバブル末期に該当。 前作、前前作が値崩れを起こす中、どのくらいAir Max 95に肉薄できるか?で注目されたシューズでもあります。 エアスペックが従来の前後分割式から一変し、フルレングスで可視化されたことで目新しさが増幅。 銀に赤という往年のナイトトラックを思わせるようなカラーリングも手伝い、それなりのインパクトを残したように思えます。 以後、数年に一回定期的に復刻。 復刻の度に、いつの間にか市場から消えてなくなるなど、根強い人気を誇ります。 シューズとしてまず感じるのは、曲がんないなぁと。 フルレングスマックスエアが搭載されたことで、曲げて歩くと言うよりも、ペタペタと平面で接地するような感覚。 アッパーも甲が低く設計され、タン周りも硬めの為、履き始めは大分違和感があるかと。 デザインの問題もあると思いますが、ソール周りが勝ち過ぎてバランスが良いとはお世辞にも言えません。 また着用を続けていくと、メッシュが綻んできやすいのも特徴。 特に無理やり曲がる部分はその傾向が強いようです。 クッションのコシが強いソールなのでオーバーサイズで履くときついと思います。 アッパーとのバランスを考えるとジャスト目が個人的にはお勧めですね。 パーツの問題上、カラーリングが難しかったり、異素材系でなかなか発売されないモデルでもありますが、近年の技術進歩によりアッパーテクノロジーを進化させたモデルが発売されているので、時代が追いついたように個人的には感じています。 そう言った意味で継続して注目をしていたいモデルの一つです。 |
モデル名 |
Nike Daybreak Premium (VNTG) ナイキ デイブレイク プレミアム (ヴィンテージ加工) (Linen/Deep Orange) 2007年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはグリップ性とクッション性を兼ね備えたワッフルパターンを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールには安定したクッション性を発揮するE.V.A.を搭載。 |
アッパー | アッパーには通気性の高いナイロンと天然皮革のスエードを採用。 |
システム | E.V.A. |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1979年から約2年間にわたって発売。 大ヒットを飛ばしたLDVをベースに、Nike初のカップインソール機能を持たせたモデルとしてデビュー。 ラストをLDVと共通の「ヴェクター・ラスト」を採用し、当時ランナーに馴染みのあったナイロンアッパーに仕上げ、とっつきにくさを解消。 バランスの良さから、一定の評価を得ることとなります。 生産数が多く無かった点とネーミングの元となった「アリゾナの大地に浮かぶ朝焼け」を表現したカラーリングがナイキの中では珍しく、希少化。 ヴィンテージブームの際、その珍しさから値段が高騰。 マニア垂涎のモデルとなります。 2007年から展開されるヴィンテージシリーズの一環として待望の復刻。 その中でのファーストコレクションとして選ばれ、ファーストカラーは争奪戦が繰り広げられました。 履き心地に関してはオールドスニーカーの定番範疇。 あくまで雰囲気を楽しむためのものであって、議論するレベルでは無いでしょう。 シューズとしては思い入れがなければ、ただの地味なスニーカーだと思います。 カラーリングが特殊というのもあると思いますが、このネーミングじゃなかったら成立しなかったのではないかな、と。 しかしながらアメカジなどのオールドスクールファッションには面白いくらいハマるのも事実。 着る服を選ぶのでコーディネート上級者向けではありますが、果敢にチャレンジをしてもらいたいモデルの一つです。 |
モデル名 |
Nike LDV (VNTG) ナイキ エルディーブイ (ヴィンテージ加工) (Varsity Maze/Sail-Blue Spark) 2008年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはグリップ性とクッション性を兼ね備えたワッフルパターンを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールには安定したクッション性を発揮するE.V.A.を搭載。 |
アッパー | アッパーには通気性の高いメッシュと天然皮革のスエードを採用。 |
システム | E.V.A. |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1978年に発売。 ヒット商品であったLD-1000の後継機種として華々しくデビュー。 元々は1977年に発売された、LD-1000をマイナーチェンジしたLD-1000Vというモデルでしたが、ネーミングの問題上消費者に違いが分かりにくかったため、たった1年でネーミングとカラーリングを一新し、このモデルが誕生することとなります。 元々売れていたLD-1000の後継種とあって、期待値はかなりのもの。 一番大きな違いは、このモデルからミッドソールが「硬質スポンジ」から「E.V.A.」にアップデートしたこと。 そしてLDVの元となったLD-1000Vから使用された、一軒左右の区別が付かないほど、ほぼ一直線なラストである「ヴェクター・ラスト」を採用したことでしょう。 こういった期待値に十分応える機能性を搭載したことで、当時抜群の権威を誇ったランナーズ・ワールド誌において1979年度の5つ星を獲得。 結果、ワールドワイドにナイキの人気を押し上げ、この時代におけるベストセラーとなりました。 最先端の加工技術を駆使し、2007年から展開されるヴィンテージシリーズの一環として待望の復刻。 以前過去に一度復刻されたものは非常に再現度が低かったため、このクオリティーの高さはマニア待望でありました。 オリジナルとの違いはメッシュの細かさだと言われております。 それ以外は概ねオリジナルを踏襲しているかと。 履き心地うんぬんは1970年代の設計ですので、論ずる部分では無いでしょう。 あくまでも、雰囲気をいかに楽しめるか、を主眼においたシューズだと思います。 長時間履けるものではありませんが、昨今のアメカジブームにこそしっかりハマるプロダクトだと思いますので、マニアだけでなく、もう一度見直して欲しいプロダクトの一つですね。 |
モデル名 |
Nike Air Max Tailwind ナイキ エア マックス テイルウインド(White/Black/Deep Red) 1996年発売 |
アウトソール |
アウトソールにはワッフルパターンとブロックパターンのコンビを採用。 (センタープレッシャーワッフルソール) |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 リアフットには抜群のクッション性を誇るマルチチャンバーエアを搭載。 フォアフットには安定したクッション性を誇るフォアフットエアを挿入。 |
アッパー | アッパーにはしなやかなシンセテックと通気性の高いメッシュを採用。 |
システム |
P.U. Forefoot Air Multi Chamber Air |
歴史背景 個人的感想 |
1996年Fall、国内で一番Nikeがもてはやされ、特にAir Maxの百花繚乱とも言うべきシーズンに発売されたのがこのモデル。 Air Max 96'の一段下にあたるレベルの位置づけとしてデビュー。 とは言え、ソールテクノロジー的には2年前のトップレベル機種であったAir Max2(スクエア)を丸々受け継いでいた事もあり、ミドルレベルに収まりきらない存在感を示すモデルとして販売されたことを記憶しております。 実際にそのミドルレベルという位置づけからUSAメガチェーンストアによる別注カラーが非常に多発されたモデルの一つでもあり、ナイキバブルの余勢も駆って国内に大量に輸入。 それでも市場に出れば即完売と言う華々しいセールスを記録しておりました。 実際に国内正規価格が12000円(実際は1万代後半~2万代半ばで推移)だったということもあって、コストパフォーマンスの良いモデルだったと思います。 履いた感覚は非常に軽く、フィット感の良さが際立ちます。 見た目からソール周りに注目したくなるんですが、アッパーのラストが日本人に向いているのか、ゆったり目で非常に軽快。 スピードシューレースを使用しているので、ホールド感が甘いんじゃないか?という気が一瞬はするのですが、それも無く、不快感がありません。 クッション性に関しては、柔らかすぎでもなく、硬すぎでもなく、という感じだと思います。 贅沢を言うのであれば、フォアだけズームエアに変えたいかも、と思う程度ですね。 Max Tailwindシリーズは以後も定期的に姿かたちを変え継続されていきますが、個人的にはこの形を超える物が出ていないような気がしております。 マニア層にも受けが良いでしょうし、スポットで復活させてほしいモデルの一つです。 |
モデル名 |
Nike Air Terra Outback ナイキ エア テラ アウトバック(Black/Sandalwood/White) 1996年発売 |
アウトソール | アウトソールにはアウトドアをイメージしたブロックパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するファイロンを全体に使用。 リアフットには安定したクッション性のヒールエアを搭載。 リアフットには弾力性のあるクッション性を誇るズームフォアフットエアを挿入。 |
アッパー | アッパーには通気性の高いメッシュとしなやかなシンセテック素材を採用。 |
システム |
Phylon Forefoot Zoom Air Heel Encap Air |
歴史背景 個人的感想 |
1996年Springカタログにてデビュー。 名品テラの系譜を引くモデルとして、当時10000円と言う定価ながらも大きな期待感を持ってデビュー。 時はナイキバブルだったということと、USAのメガチェーンがこぞって別注カラーを生産したことによって国内に相当数の数が入ってきたことも引き金となり、トレイルランニングと言うモノを認識させた存在意義は大きかったように思えます。 実勢価格としては1万台後半から2万代中盤で取引されたことを考えると、ナイキバブルという背景を差し引いても、低価格帯モデルにしてはデザインが秀逸だった証拠。 また、切り返しのパーツが多いため、ACGらしいアースカラーから派手なカラーリングまでこなせた振り幅の大きさも人気の秘訣だったのではないでしょうか。 ちなみにこのカラーリングはFinish Line 別注として国内に入ってきたものを捕獲。 ありそうでない、絶妙なカラーリングが気に入っております。 履き心地で言うと、トレイルランニングだけありアウトソールが硬いため、柔らかくは無い感じ。 ですが、クッション性が無いと言った印象も無く、1日履いていても痛くなりませんし、非常に不思議な感じのモデルです。 通気性も良いですし、トータルで考えると何だか使えるモデル、という雰囲気。 ランニングにしてはそこそこボリューム感があるので、その辺りも良い塩梅なのかもしれません。 エアフマラ等々に引き継がれていった系譜を考えるならば、もう少し評価が高くてもいいのではないかな?と思う隠れた名品です。 復刻希望です。 |
モデル名 |
Nike Air Footscape ナイキ エア フットスケープ(Wild Grape/White) 2005年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはワッフルソールパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を提供するファイロンを全体に使用。 ヒールにはヒールエア、フォアにはフォアフットエアを搭載。 |
アッパー |
アッパーにはしなやかなデュラバック(高耐久性人工皮革)とメッシュ素材のコンビを採用。 踵のTPUサポートパーツが足ブレを制御してくれます。 |
システム |
Phylon Encap Heel Air Forefoot Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1996年 SPRINGにデビュー。 フットスケープ・ラストという幅広のコンフォートさを最優先した独自のラストとサイドアッパーにシューレースを採用する独自の規格を引っ提げてデビュー。 Air Max 95'同様、初動はそこまでなかったものの、ナイキバブルの波が始まるにつけ一気にプレミア化。 かの有名な藤原ヒロシ氏が雑誌等々で猛プッシュしたことも人気に拍車をかける原因となりました。 実際にランニングカテゴリーではAir Maxシリーズに次ぐ人気機種の一つとして認知され、海外からレディースカラーのメンズ対応サイズが大量流入。 需要に対して供給量が追いつかない時期が長く続き、一時は5万円オーバーの価格帯で取引されておりました。 国内ではメンズ・レディース問わず人気機種になったものの、海外では当時この幅広のフォルムはそこまで受け入れられなかったようで、海外で評価が高まったのは2001年の「上野シティアタック」以後と言われています。 そういった関係もあり当時はインラインカラー以外は展開されておらず、海外別注も無かったため人気の割には短命で終わったモデルです。 後継モデルとして発売された「ステイシス」もフットスケープほどパッとしたセールスは記録できず、この手の流れはナイキバブルでいったん終了します。 近年では再評価されていることに加え、ハイブリットモデルのベースとしてセレクトされることが多く、ウーブン系、マックス系モデル等々に違った側面からアプローチをする際に用いられています。 そういった意味で、扱いやすいモデルなのかもしれませんね。 個人的な観点から述べると、シューズとしてはあまり好みじゃありません。 幅が広すぎることと、そこそこ厚めにとられたソールに対してアッパーが華奢過ぎてサポート性が皆無なため、ソールの返りが足についてきてるような気がしない点が理由です。 (レザーモデルを未着用のため、レザーモデルだと評価が変わる可能性あり) とは言え、一時代を築いたモデルであることは疑いの無い事実であり、ランニングでありながらもコンフォートさを備えたモデルの走りとして、体感されることをお勧めしたいモデルの一つです。 |
モデル名 |
Nike Cortez ナイキ コルテッツ(Royal Blue/Medium Yellow) 1996年復刻 |
アウトソール | シンプルかつ間隔の広いヘリンボーンパターンを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールにはE.V.A.を採用。 |
アッパー | アッパーには天然皮革とナイロンメッシュのコンビを採用。 |
システム | E.V.A. |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1972年に発売。 1960年代、USAにてオニツカタイガーを輸入代理店と言う形で販売していたのが、Nikeの前身であるBRS(ブルーリボンスポーツ)。 創業者であるビル・バウワーマンが当時のオニツカタイガーにアドバイスをして作られたと言われるのが、966年から展開されたオニツカタイガーのコルセアというモデル。 当時レザーかキャンバスで作ることが常識とされていたアッパーを軽量のナイロンに置き換えると言う大胆な試みを提案。 雨で水がしみるといった問題が多々ありつつも、瞬く間にランニングシューズではナイロンアッパーが主流になり、大成功を収めます。 クッション性においても、つま先から踵までミッドソールを展開し、踵のみ一枚厚い3層式を採用。 当時としては革新的なクッション性が舗装路で走ることの多かったアメリカランナーの支持を得るに至ったと言われています。 オニツカタイガーとの販売権のこじれから、1971年BRSからNikeへとメーカー業に転身。 訴訟問題を経て、1972年にNikeとしてのコルテッツが発売されます。 以後、マイナーチェンジや生産国の変更を繰り返しながら、現代にいたるまで生産され続けている超ロングセラーモデル。 このカラーリングは、1970年代中盤にかけてUCLAカラーとして発売。 ヴィンテージ市場で絶大な人気を誇ったカラーリングです。 それをNikeバブル真っただ中の1996年に日本企画として復刻。 マニア向けではありましたが、ヴィンテージ市場での高騰ぶりもあってセールス的にかなり成功をいたしました。 個人的にはコルテッツを何足か持っていますが、一番履いたカラーリングです。 もちろん基本設計が古いので、そう何時間も履けるような代物ではありません。 ですが、今から反芻すると、あの狂乱の時代だったからこそ生まれた、空気感を完璧にパッキング化したようなシューズだと思います。 当時のNikeの販売戦略は最低そのもので、結果数年後独占禁止法で訴えられるわけですが、ある意味そういった戦略があったからこその遺産的なモデルと言っても過言ではないでしょう。 |