KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
モデル名 |
Nike Air Force 3 Hi Premium ナイキ エア フォース スリー ハイ プレミアム(White/Black-Baroque Brown) 2005年復刻 |
アウトソール | アウトソールには安定性の高い同心円状パターンとブロックパターンのコンビを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールにはポリウレタン素材を全面に使用し、安定したクッション性を発揮するヒールエア挿入。 |
アッパー | アッパーには剛性の高い天然皮革を採用。 |
システム |
Encap Heel Air P.U. |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1988年、前作より二年の時を経て大々的に発売。 チームカラーに合わせ、多種多様なカラーリングが展開され、インサイド系シリアスプレイヤーに愛されました。 当時新たな試みとしてリミテッドカラーが展開され始め、エアウインドランナーなどを巻き込んだEscape カラーが登場。 (今でいう企画物の走り) リミテッドということで、数が少なかったこと。 こういったブラウン系のカラーリングを落とし込んだバスケットボールシューズが無かったこと。 そういった要素が相まって、90年代国内ナイキバブル時はかなりの金額で取引されておりました。 2005年にマニア待望の復刻を遂げるわけですが、セールス的には今一つの結果に。 パック物が乱発されていたことと、流通量が多かった割には、当時を知るマニア層以外購入に至らなかったのが原因だったようです。 履いた感覚は見たまんまのドッシリ感。 ソールが分厚くポリウレタン特有のクッション性がよくわかる作りです。 また、ホールド感を向上させるために、シューレースがアンクルのかなり高い位置まで通っているため、ジャスト目に履かないと変な箱っぽさを感じて、良さを体感できないと思われます。 見た目以上に幅は広いのも、その辺りを助長しているようですね。 シューズとしてかなりゴツイので合わせるのが難しいモデルではありますが、80年代末の過渡期を味わうには丁度良いモデルではないでしょうか。 |
モデル名 |
Nike Air School Force Mid ナイキ エア スクール フォース ミッド(White/Carolina/black) 1996年発売 |
アウトソール | アウトソールにはグリップ性の高いヘリンボーンパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を発揮するポリウレタン素材を採用。 リアフットには高いクッション性を誇るビジブルビッグヒールエアを搭載。 リアフットには安定したクッション性を誇るフォアフットエアを挿入。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高い天然皮革としなやかなシンセティックのコンビを採用。 メッシュタンが必要な通気性を確保し、ストラップが甲周りのホールド感を向上。 |
システム |
P.U. Visible Big Heel Air Forefoot Air |
歴史背景 個人的感想 |
1996年、カレッジバスケットボール向けチームモデルとしてデビュー。 位置づけの関係上、元々チームカラーでの展開が非常に多かったモデルだったものの、時は90年代半ば。 USAチェーン店での別注カラー最盛期だったこともあり、数々の別注ベースとして採用。 AJ11に端を発したパテントブームに乗り、ノースカロライナブルーの色目が爽やかな印象。 このカラーリングはフットロッカーが手掛けたものとなります。 シューズとしては幅もゆったりしていて、90年代らしいポリウレタンのミッドソールにビジブルビッグヒールエアという柔らかめのクッション性。 足入れをしてみると重いかな?という気もしますが、甲周りのストラップがしっかりとホールドしてくれて一体感をもたらすため、気になるほどでもありません。 欠点を上げるとすれば、やはりシャンクの無さだと思います。 とりまわしの良さを重視した作りなのは理解をしたとしても、ガッチリとした台形のソールの割に少し不安定かな?と感じずにはいられなかった点は減点材料。 その点を含めても90年代っぽいな、と思う出来ではあります。 厚くとられたミッドソールはやはり加水分解の憂き目に。 写真の通り、変色をしてボロボロの末路でした。 当時、実用面で潰れた数の方が多いため、知っている人も多いでしょうし、カラーバリエーションが無数に出現したモデルだけに復刻のベースとしても選ばれやすい気も。 いつかマニアックなカラーで復刻が現れると面白いだろうな、と思うモデルですね。 |
モデル名 |
Nike Air Alpha Force 2 ナイキ エア アルファ フォース ツ- ハイ(Black/Del Sol Orange Blaze) 2003年復刻 |
アウトソール | アウトソールには安定性の高い同心円状パターンとブロックパターンのコンビを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールにはポリウレタン素材を全面に使用し、安定したクッション性を発揮するヒールエア挿入。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高い天然皮革を採用。 ストラップが足ブレを軽減。 |
システム |
Encap Heel Air P.U. |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA1988-89シーズンに、当時フィラデルフィア・76ersに所属していた、C・バークレーの意見を取り入れ、1987年から展開していたAir Alpha Forceの二代目として発売。 1988年に大々的に展開されたSupreme Courtキャンペーンにおいて、Air Alpha Forceを着用して撮影された画像が大々的に広告として扱われたこともあり、発売前からある程度の成功が約束されたモデルでもありました。 バークレー以外の選手も着用をしていましたが、バークレー自身の活躍が目覚ましく、初のオールNBAファーストチームに選ばれるなど選手としてノリにノリ出した時期とあって、彼の準シグネチャー的なイメージが市場にも確立。 そういった大きな流れから、以後、バークレーがフォースシリーズの中核を担うこととなります。 デザインとしては同時期に発売されたAir Force3とAir Alpha Force 1を足して2で割ったような感覚。 今となっては当たり前になった、Lowカットに近いMidカットモデルのはしり的な存在と言えます。 シューズとしては履き心地が柔らかく、このスペックにしては履きやすいモデルだと思います。 ただし、フォアのストラップは典型的な日本人の足には辛いのではないかと。 見た目以上にフォア部分が狭いと言うことと、ストラップがかなり締められるので、合う合わないがハッキリ。 足幅の広い方はストラップを通さずに着用することをお勧めします。 適度なレトロテイストを残しながら、そこそこの履き心地を保持しているため使い勝手が良い点が未だにマニア層に受け入れられている要因でしょう。 ソールがポリウレタンですので加水分解は避けられませんが、カラバリを変えて、定期的に復刻してくれると嬉しいモデルの一つです。 |
モデル名 |
Nike Air Force 180 Mid ナイキ エア フォース ワンエイティー ミッド(Black/White/Sport Royal/Varsity Red) 2004年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはグリップ性の高いヘリンボーンパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するポリウレタン素材を全面に使用。 ヒールには柔らかなクッション性をもたらすビジブルヒールエアを搭載。 |
アッパー |
アッパーにはしなやかなデュラバック(高耐久性人工皮革)を採用。 ダイナミックフィットインナースリーブとストラップが抜群のフィット感とホールド感を提供。 メッシュタンが必要な通気性を確保。 |
システム |
P.U. Visible Heel Air |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA1991-92シーズン、当時フィラデルフィア・76ersに所属していた、C・バークレーのシグネチャーモデルとして発売。 1992年バルセロナオリンピックのために結成された伝説的チーム、ドリームチームⅠでも着用され、オリンピックカラーを含め絶大な人気に。 当時バスケットボールでの実用面で評価が高く、ストリート使用に流れるデットの数が意外と少なかったことから、ナイキバブル時はかなりのプレミア価格で取引をされておりました。 「180 Air」の特徴としては、エア部分のアウトソールをエアの形状に沿って形成し、クリアカラーにすることで180度の可視化に成功。 エアの搭載量等々が増えたわけではなく、あくまでも可視化技術の進歩によるものと捉えるのが正しいと思われます。 履いた感覚は見た目の通り安定感重視志向。 一方でホールド感はガチガチでもなく、ストラップをしっかり締めて初めて成立するようなバランス。 フォアフットに関してはエアを搭載していないので、屈曲が良い反面、少し物足りなさを感じるかと。 その分、ポリウレタンそのものが若干柔らかめにチューニングされていると思います。 歴史的にこの後、エア搭載量の飛躍的進歩からオーバーデコレーション気味になっていくわけですが、1980年代中盤から続くプラスティックパーツの流れと1990年代初頭の過渡期感を詰め込んだ、ハイテクの手前感を十分に感じてもらえるモデルと言えるのではないでしょうか。 |
モデル名 |
Nike Air Force 1 Hi ナイキ エア フォース ワン ハイ(White/Varsity Red) 2003年復刻 |
アウトソール | アウトソールには安定性の高い同心円状パターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールにはポリウレタン素材を全面に使用し、安定したクッション性を発揮するフルレングスエア挿入。 そしてアウトソールから全体をラバーで包み込むフルカップアウトソールを採用。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高い天然皮革を採用。 ストラップが足首周りを固定しホールド感を向上させてくれます。 |
システム |
Full Length Air Full Cup Out Sole |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1982年。
1979年にエア入りのランニングシューズ・テイルウィンドが発売され、そのエア技術をどのようにして他カテゴリーに応用するか?が課題だったナイキが出した答えがこのモデルです。 従来のランニングに使用するエアの配置では安定感が無いため、シューズに5%角度をつけたり、ミッドソール内に入れ込む際にミッドソール内部をハニカム上にするなど独特の工夫がなされました。 NBAでは当時フィラデルフィア・76ersに所属していた、C・バークレーやM・マローンが好んで着用。 このシューズの出現によりNBAのシェアが急速に伸びることとなります。 80年代末より断続的に復刻。 90年代に入ってからはライフスタイルとして、徐々に定着していったモデルといえるでしょう。 このカラーリングは2003年に国内でマルイのみ流通したカラーリングです。 何故こんな有名かつベーシックなカラーが?という感じでしたが、まぁこの辺りは大人の事情が絡んでいるかと。 個人的にAF1はハイカットこそ特に魅せられている為、飛びつかざるを得ない感じでした。 履き心地に関しては正直良い部類には入りません。 エアの感覚もほぼ感じませんし、重量感から一日履くと足がだるくなります。 しかしながら名品だからこそなのか、しっかりとシューレースを縛りストラップを後ろに垂らすと言いようが無いほどカッコいいわけです。 またシンプルだからこそ揃えたくなる色味も購買意欲を加速させる原因といえます。 こういった要素が発売後30年近くたった今でも色褪せず、人々を魅了し続けるのでしょう。 もう少し定価がこなれてくれると良いのにな、と強く思います。 |