KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
モデル名 |
Nike Air Maestro ナイキ エア マエストロ(White/Varsity Red/Midnight Navy) 2004年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはグリップ性の高いドレッドパターンを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールにはポリウレタン素材を全面に使用し、安定したクッション性を発揮するヒールエア挿入。 |
アッパー |
アッパーにはしなやかなシンセティック素材を使用。 ダイナミックフィットインナースリーブが高いフィット感を提供。 |
システム |
Encap Heel Air P.U. Dynamic-fit inner sleeve |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA1993-94年にFlight系、トップレベルモデルとして発売。 名前がAir Maestroのままになっておりますが、順序で言うとAir Maestro 2にあたります。 ダイナミックフフィットと当時基準の軽量性の高さが人気の呼び、多くの選手が着用。 89年に本格的に始まったFlight系の普及に大きな貢献をしたモデルです。 シグネチャーというわけではないものの、NBAオールスターでスコッティピッペンが着用した真っ赤なカラーリングが突出したインパクトを与えたため、彼の準シグネチャーとして扱われることが多いモデル。 90年代半ばのナイキバブル時には、真っ赤のみ極端なプレ値が付いていました。 シューズとして評価をすると、正直、今の基準でいえば、たいしたこと無いモデル。 フィット感、重量感、クッション性、共に過度な期待をすると少し肩透かしを食らうと思います。 ハードルを下げて、レトロモデルとして評価をするならば、90年代特有のポリウレタンソールの柔らかさが前面に押し出されつつも、フィット感や屈曲性が伴ったバランスの良いモデル、という感じかと。 脚力の低い方でも履きやすくチューニングされている印象ですね。 欠点はやはり通気性。 そして脚力が低くても履けると言う意味で、クッション性もちょっと低いな、と感じます。 あくまでも当時のスピードプレイヤー向けというスペックなので致し方の無いところかと。 Flight系が成熟し始める前の雰囲気を味わいたい人には面白いモデルだと思いますが、裏を返せば、そつが無さ過ぎて味気ないモデルだと思います。 |
モデル名 |
Nike Air Pip 2 ナイキ エア ピッペン 2(White/Varsity Red/Black) 2003年復刻 |
アウトソール | アウトソールにはフレックスグルーブを入れ込んだドレッドパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するファイロンを全体に使用。 フォアフットにはレスポンスを重視した分割式ズームエアである、アーティキュレーティドズームフォアフットエアを挿入。 リアフットにはヒールエアを搭載。 中足部にTPUシャンクプレートを入れ込むことで過度な捻じれを防止。 |
アッパー |
アッパーにはしなやかなシンセティック素材を採用。 ダイナミックフィットインナースリーブと余計なものを一切省いたプレーンなアッパーが高いフィット感を提供。 シューレースが細かく通ることで好みのフィット感に調節が可能となっております。 |
システム |
Phylon Articulated Forefoot Zoom Air Encap Heel Air TPU Shank Plate |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA1997-98シーズンに当時C・ブルズに在籍した、S・ピッペンのシグニチャーモデルとして発売。 レギュラーシーズンでは故障が多く着用機会が非常に少なかったものの、プレイオフ通して着用し2度目の3連覇を遂げたことでマニア層には響いているモデルと言えます。 前作までの華美な装飾から一転してのシンプルなフォルムは機能性のみを追求した仕上がり。 シンプルすぎて味気ないのが正直なところ。 たまたまとはいえ、ナイキバブルがはじけ飛んだ後の、一気にローテクへの揺り戻された当時のスニーカーシーンと被る印象が個人的はあります。 機能性としてはあくまでも接地感とレスポンスを重要視して開発。 細かく調節が出来るシューレースと相まって、シューズがしっかりと足に付いてくる感覚を得ることが出来ます。 クッション性に関しても、足裏にしっかりと入ってるなというのが良くわかります。 難点を挙げるとすれば、かなりロープロファイルに仕上げているのでクッションが早くへたる感覚。 そしてシューレースが細か過ぎて、足がむくんでくると、再度調整しなおすことが必須であること。 フィット感がタイト過ぎて痛くなります。 シューズとしては未だに実践にも使用できる基礎設計をギリギリ保持。 時代性としてシンプルな方向に突き進んでいたとは言え、あまりにもシンプルすぎますね。 もう少しS・ピッペンらしさをデザインに落とし込んでも良かったのではないかな、と思います。 機能性が十分なだけに、その点だけが個人的に残念ですね。 |
モデル名 |
Nike Air More Uptempo ナイキ エア モア アップテンポ(Midnight Navy/Midnight Navy/White) 1996年発売 |
アウトソール | アウトソールにはヘリンボーンの変形パターンと重厚なソールに屈曲性を持たせるための溝を深めに完備。 |
ミッドソール |
ミッドソールには柔らかなクッション性を提供するポリウレタン素材を全体に使用。 最高のクッション性を誇る、スリーピースビジブルエアを全体に搭載。 |
アッパー |
アッパーには重厚かつしなやかな天然皮革とシンセティックのコンビを使用。 メッシュタンを採用することで必要な通気性を確保。 デザインのアクセントに一役買っている「AIR」の文字が、サイドへの補強とブレをなくし、安定感を向上させてくれます。 |
システム |
P.U. Three Pieces Visible Air |
歴史背景 個人的感想 |
NBA1996-97シーズン・プレイオフ、当時C・ブルズに在籍した史上最高のNo.2プレイヤー、S・ピッペンのシグニチャーモデルとして発売。 1996年アトランタオリンピックに向け、オリンピックカラーも同時期に登場。 ドリームチームⅠ以来の豪華絢爛メンバーで結成されたドリームチームⅢに華を添えるべく、用意されたモデルもカラーリングが秀逸の一言。 星条旗をモチーフにしたカラーリングや金メダルを連想されるカラーリングが多数用意され、着用選手の背番号が刺繍されました。 発売当時国内はナイキバブル絶頂期。 ボリューム感と存在感のあるAirの文字がアウトドア系及びHip Hop系ファッションに広く受け入れられ人気が爆発。 相当数が国内外問わず流入したにも関わらず、売り切れ店舗が続出しました。 実際に魅力的なモデルが多かった歴代Uptempoカテゴリーにおいても、一つ抜けた存在として認知。 数年に一回復刻をされても、いつの間にか無くなってしまう人気モデルとして未だに君臨しております。 また、このモデル辺りを契機に、徐々に衰退をしていったForceカテゴリーと入れ替わるようにUptempoカテゴリーが台頭。 2000年まではUptempoカテゴリー隆盛の時代を迎えることとなります。 履き味は見ての通りドッシリ感が前面に来て、その上で柔らかめのソール感が足裏を包む感覚。 フィット感も甲にゴムベルトが付いているため悪くなく、TPUなどが入ってないので思ったよりも屈曲も良いです。 ただ、問題点を挙げるなら重量。 やはり見た目の通り重たい事は否めません。 また、サイドアッパーに施されたAirの文字形状もあって、縫い目が多く、人によっては足当たりが悪いかと思われます。 個人的にはこのスリーピースビジブルエアの履き味がナイキの中では一番柔らかいと感じているので、デザインも含め、フェイバリットモデル。 ここまでAirを前面に押し出したデザイン性は無いですし、突き抜けたモノを感じますね。 本当に別注が掛けたくて仕方がないモデルです。 |