KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
モデル名 |
Air Jordan 11 Low エア ジョーダン 11 ロー(Black/Dark Grey/True Red) 1996年発売 |
アウトソール | 独特の緩いドレッドパターンとヘリンボーンパターンをミックスした独自のアウトソールを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するファイロンを全面に使用。 ミッドソール全体に柔らかな履き心地を提供するフルレングスエアを搭載。 またミッドソールとアウトソールの間にカーボンファイバープレートと挿し込むことで過度な捻じれを防止。 |
アッパー |
アッパーには抜群の通気性を誇るメッシュ素材と剛性の高い天然皮革、そしてデュラバックのコンビを採用。 クイックシューレースシステムが脱着を容易にしながら、確実なホールド感を提供。 ライナーには非常に柔らかい素材が使用されており、踵の靴擦れを防止しています。 |
システム |
Phylon Full Length Air Carbon Fiber Plate |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA1995-96シーズンオフに発売。 シーズン72勝という大記録を引っ提げプレイオフに臨んだジョーダンが、プレイオフの期間中に突如AJ11 Hiから履き変えた一品。 このモデルを履いて本格的なカムバックから、たった1年でNBAを制覇いたします。 当時、ジョーダン用にAJ11 Hiを純粋にローカットにしたPEがありましたが、そちらではなく、当時はこちらが正式なローカットモデルとしてリリース。 時は狂乱のナイキバブル。 国内では、施し方は違えど、ハイカットと同じく通気性を重視したアッパーが斬新なデザインとして受け入れ、プレミアム化。 ハイカットに比べ、非道に流通量が多かったこともあり、二万代前半の金額で推移しておりました。 ジョーダン自身が履いた黒赤が一番高値を付けるのが当時の慣例だったものの、流通量の関係上から同時期発売されたもう一色の白灰色の方が高値をつけていたように記憶しております。 シューズとしては非常にバランスが良く作られていると思います。 ハイカットの問題点はキャンバス地における剛性の低さ。 その部分を解消しつつ、通気性は維持する、というメッセージ性が履くとよくわかる仕上がりになっています。 90年代半ばの感覚だとローカットになりますが、2011年現在の感覚だとミッドカット程度の高さになるのは御愛嬌。 ホールド感等々も不安になることが無いと思います。 タントップの形状やフォルム感から「AJ11+AJ3=AJ11 Low」というのが、個人的な印象です。 スペックから日本の夏にピッタリで軽快なモデルだと思います。 復刻版盛り上がらないのが不思議でなりませんね。 |
モデル名 |
Air Jordan 11 Hi エア ジョーダン 11 ハイ(Black/True Red/White) 1996年発売 |
アウトソール | 独特の緩いドレッドパターンとヘリンボーンパターンをミックスした独自のアウトソールを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するファイロンを全面に使用。 ミッドソール全体に柔らかな履き心地を提供するフルレングスエアを搭載。 またミッドソールとアウトソールの間にカーボンファイバープレートと挿し込むことで過度な捻じれを防止。 |
アッパー |
アッパーには抜群の通気性を誇るキャンバス素材と剛性の高い天然皮革エナメルのコンビを採用。 クイックシューレースシステムが脱着を容易にしながら、確実なホールド感を提供。 キャンバス素材によって足が痛まないようにライナーには非常に柔らかい素材が使用されており、アキレス腱部分にはストレッチ素材を使用することで可動領域の確保と踵の靴擦れを防止しています。 |
システム |
Phylon Full Length Air Carbon Fiber Plate |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA1995-96シーズンに発売。 NBA1994-95シーズンに電撃復帰を遂げたジョーダンが、プレイオフの期間中である1995年5月7日に突如新作であるAJ11の白黒を履いてコートに登場。 通常、翌シーズンの2月に行われるオールスターゲームにて新作がお披露目になる、というのが慣例になっていたため、急遽現れた新作に世界中のAJマニアが騒然。 NBAではチーム全体としてシューズのカラー統一の規則があるため、AJ1以来の罰金を払うこととなり、伝説に拍車をかけることとなります。 ただし、罰金を払い続けることは無く、2戦後には黒青を履いて試合に出場。 この時履いた黒青はオリジナルでは発売されなかったため、これもまた一つの伝説に昇華。 当時の背番号が45番だったことから、ジョーダン用に作成されたPEではヒール部分の数字が45の刺繍となっていました。 このモデルはNBA1995-96プレイオフの前半戦にてジョーダンが着用したカラーリングになります。 日本ではAir Max 95'が引き金となったナイキバブルが真っ盛りのころに発売されたこともあり、一瞬でプレミア化。 「世界中から日本に集まっていた」と言われたほど流通したものの、どうしようもないほどの争奪戦が繰り広げられ、かなりの高額で取引されていました。 個人的には成長期が一段落し足のサイズが固まったため、当時一番履いたジョーダンと言えます。 とにかく履きまくったため、写真の通りかなり色褪せてしまってますが、ご勘弁ください。 ジョーダンの中でも1、2を争う人気っぷりだとは思いますが、冷静に考えますとちょっと不満が残るモデルだったりします。 一番の原因はアッパーとソールのバランスでしょう。 ジャスト目に履いていても、ソールが少し重いな、と感じてしまう点がかなりの減点材料ですね。 言いかえれば、ソールに重心があるため、振り子の原理で走りやすい、とも言えます。 後はアッパーがキャンバスであるため、どうしても耐久性が低いということでしょうか。 その分、今までのジョーダンシリーズでは考えられなかったほど通気性はしっかりと確保されています。 こういった良くも取れれば悪くも取れる、という意味で賛否両論があるのもこのモデルの特徴と言えるのではないでしょうか。 何とも表現しづらい部分ではありますけどね。 とはいえ、AJ9から続く一連の流れの中で、一つの結論を出したモデルだとは思います。 これを履いていると、スペックうんぬんよりも、履いてること自体に満足してしまう、魅力的な困ったモデルです。 |