KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
モデル名 |
Air Jordan 2009 エア ジョーダン 2009(Black/Varsity Red-White) 2009年発売 |
アウトソール |
アウトソールは屈曲性とグリップ性を重視した、細かな特殊ストレートパターンを採用。 土踏まず部分をくり抜くことで、軽量化を促進。 カーボンファイバーを入れ込み、支柱のように形成されたArticulated Propulsion Technologyが推進力を高め、素早い蹴り出しを可能に。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するファイロンを全面に使用。 フォアフットにはレスポンスを重視した分割式ズームエアである、アーティキュレーティドズームフォアフットエアを。 リアフットには接地感が高く、豊かなクッション性を発揮するズームエアを搭載。 中足部にはカーボンファイバープレートと挿し込むことで過度な捻じれを抑制。 またくり抜かれた中足部分からTPUシャーシでミッドソールを包み込むことで軽量化と剛性を確保。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高いフルグレインレザーとしなやかなシンセテック素材のコンビを採用。 アッパーを構成するパーツを極力減らすことで、縫い目によるストレスを軽減。 足首周りにはアキレス腱パットとサポート性の高い形状記憶インナーを採用し、高いフィット感を得ることが出来ます。 |
システム |
Phylon Zoom Air Articulated Forefoot Zoom Air TPU Chassis Carbon Fiber Plate APT Heel(Articulated Propulsion Technology) |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA2008-09シーズンに発売。 Air Jordan 23の発売後、翌年に24が出るのか、出ないのか、といった憶測が飛び交う中、フラッグシップには年号をモデル名に冠するという手法を取り始めます。 オリジナルナンバー終了後、初のモデルという大きなプレッシャーの中、デザイナーとして採用されたのは、Jordan CP3 シリーズのデザインを担当しているJason Mayden。 デザインソースはガラス彫刻、フェンシングのマスク、ダイアモンドのカッティングと多岐にわたります。 このモデルの特徴とも言える、Articulated Propulsion Technologyとは、義足を作成する際に使用される特殊形状の素材をベースに開発。 カーボンファイバーを入れ込むことで、高い接地感と素早い動きを両立し、衝撃を推進力に変換するという、高度なテクノロジーに昇華。 素人が履いても一瞬でわかるほど、ダイレクト感とクッション性を両立した、AJ23に次ぐべきフラッグシップモデルらしい機能性を保持しています。 また、AJ23からの流れである、コンシダードコンセプトは継続。 無駄の無い構成パーツがシューズとしての完成度を向上させています。 着用するまでの印象は、以前Reebokで展開をしていた「DMX Reflex Technology」のようなヒール形状とシンプルなカラーリング2色しか展開をしていなかったことから、あまり良くありませんでした。 そんな中、2009年マイケル・ジョーダンがバスケットボールの殿堂入りを果たした事を記念し、「Hall of Fame」Packとして追加されたのがこのカラーリング。 履いてみてまず思った事は、AJはAJでしかないんだな、ということ。 十分に前作から進化を感じる事が出来ます。 そして、Articulated Propulsion Technologyの恩恵はかなりのものだということ。 筆舌尽くしがたい感触は、あくまで着用者のみに伝わる感覚。 重そうに見えるアッパーも軽めに仕上げてあり、総じてハイレベルとしか言いようがありません。 もし欠点を上げるとすれば、履かないと良さが伝わりにくいテクノロジーの進化でしょう。 フラッグシップであるものの、AJらしい革新性を一発で視認できないのは残念至極。 若干通好みではありますが、オリジナルナンバー以降に対しての先入観を捨てて、履いてみてほしい完成度の高さです。 |