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KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
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モデル名 |
Air Jordan XX9 エア ジョーダン 29(Black/Team Orange/Dark Grey) 2014年発売 |
アウトソール |
アウトソールには粘り気のある素材に、格子縞を組み合わせた特殊ヘリンボーンパターンを採用。 アウトソール一部をくり抜くことで軽量性を向上。 前後分割されたアウトソールを「Tendril」というブリッジで中足部をつなぐことで、足運びをスムーズにし、エネルギーロスを防ぐ効果を実現。 |
ミッドソール |
ミッドソール全体にはファイロンを採用。 フォアフットには反発性、クッション性豊かなズームエアを挿入。 リアフットには圧縮ファイロンを搭載することでクッション性を確保。 ミッドソール全体を弾性が高く耐衝撃性に優れたナイロン系エラストマー樹脂であるPebaxで封入。 またミッドソールとアッパーの間に軽量かつ弾反発性に優れたFlight Plate(TPU Shank Plate)を挿入。 ミッドソール全体を上から封をするようにFlight Plateが足裏全体に伸びることで、過度な捻じれを抑制し、衝撃と体重を均一に分散化しエネルギーに変換する役割を果たします。 |
アッパー |
アッパーには従来のウーブンテクノロジーを更に進化させたワンピースアッパーを使用。 高い通気性、屈曲性を誇り、ワンピースゆえ足に余計なストレスを与えません。 またウーブンアッパーを邪魔することなく埋め込まれたFlight Webテクノロジーが足中心のホールド感を向上。 ヒールライニングにはヒールポッドがあり、アキレス腱を優しく包み込みます。 |
システム |
Phylon Zoom Air Pebax Tendril Flight Plate(TPU Shank Plate) Flight Web |
歴史背景 個人的感想 |
2014年、約2年ぶりに新作AJが誕生。 誰をミューズにしたのか、どんなテクノロジーが搭載されてるのか?という大きな話題を振りまき、生中継までされセンセーショナルなデビューを果たしました。 進化したウーブンアッパーはイタリアのジャガード織から着想を得て開発。 ジャガード織の特徴である織り込みは、糸の強度や柄を自由自在に変更することが出来、結果ワンピースで足にストレスの掛からない理想的なアッパーに進化。 織物であるため、従来のレザーアッパーに比べるとあまり足幅に制限がなくゆったり目。 しかしながらFlight Webのおかげで締めあげることも可能なので、微調整が利きます。 また無駄な縫い目などが無いため屈曲性も良く、フィット感も上々。 その上軽量で通気性の高いため、快適性も両立。 一方でヒールカウンターが小さいため踵のホールド感はこのクラスのモデルにしてはかなり低く感じます。 また履きこむと使用者の足の形にアッパーが馴染むでしょうが、その分繊維が緩くなるため耐久性が低いことは容易に想像可能でしょう。 ソールに関しては出来るだけ薄く軽量化して、いかに衝撃を反発性に変えられるか、という観点で考えられていると思います。 つまり踏み込んだ際にFlight Plateがミッドソール全体に衝撃を分散化。 均一に分散化された衝撃を受け止めたミッドソール素材が衝撃で横に広がるのをPebaxで無理やり塞き止め上に跳ね返る力へ変換。 その力を再度Flight Plateで上から蓋をして大きな反発性に変換すると言う計算をしているのが足裏から伝わるかと。 クッショニングに関しては前作のAJ28のエアバッグ破裂が多発する事例を受けてフォアフットエアのレイアウトを変更。 左右分割型から前後分割型へ。 それによりZoom Airの感触は薄れ、乗ってる感は減少したものの屈曲性が上昇。 一方でリアフットのAirは省略され、圧縮ファイロンに変更。 ここに関しては好みがハッキリ別れる部分ではあると思いますが、個人的には一番物足りない部分。 歩行の際にフォアフット中心の方には最適かもしれませんが、踵から入るタイプの歩行パターンだと圧倒的にクッション性の物足りなさを感じると思います。 ラッセル・ウエストブルックのプレーをミューズとして設定してる故の配置だとは思いますが、もう少しなんとかならなかったのかな?というのが素直な感想です。 アウトソールに関しては安定感もあり、中足部がTendrilだけでつながれてるとは思えないほどです。 ここまでごっそり削っていると大体不安定なソールになりがちなのですが、歩行への足運びは快適そのものと言えますね。 総じて評価をするなら、履いた瞬間がピークのシューズ。 久々に時代の最先端を走ることが至上命題である、AJらしいクオリティを完備したシューズだと思います。 履いて踏み出した時の感動は流石最新のAJと言わざるを得ないクオリティ。 しかしながらシューズとしての完璧な完成度があまりに短すぎる... 着用2日目にしてフォアフットのZoom Airの感触は薄れ、ミッドソール全体が沈んでいるような感覚。 意外や意外ソールの方が圧倒的にバランスを崩しやすく、実はアッパーがバランス上、勝ってることを実感。 この感覚だとアッパーが馴染む前にソール周りの良さが消えて行く気がします。 ハッキリ言ってAJは履き込んだりするようなものじゃないです。 歴代AJもシューズとしてへたるスピードは他のシューズに比べると圧倒的な早さでした。 そう言った背景を踏まえても、このモデルに関してはあまりに刹那的なバランスの上に成り立っていると感じますね。 そこまで刹那的なモデルに24000円+TAXを払う価値があるのか、判断は難しいところですが間違いなく久々にAJらしいAJを感じさせてくれるモデルと言えるでしょう。 |
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モデル名 |
Reebok Answer 9 Pump リーボック アンサー 9 ポンプ(Black/White/Red) 2006年発売 |
アウトソール | アウトソールには独自のドレットパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定した衝撃吸収性を誇るC.M.E.V.A.を搭載。 ヒールには安定性、クッション性、推進力を兼ね備えたDMX SHEARを挿入。 インソールにはウレタンタイプのソックライナーを入れ込むことで高いクッション性を確保。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高い天然皮革としなやかなシンセティック素材のコンビを使用。 TPUヒールカップが安定性を提供し、足の過度なねじれを防止。 シューレースはドローコード。 ストラップとThe Pump 2.0(The Pump Auto)システムがアッパー全体のホールド感を向上してくれます。 |
システム |
C.M.E.V.A. DMX SHEAR The Pump 2.0(The Pump Auto) |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルはNBA2005-06シーズンに発売。 C・ウェバーとのデュオが熟成され、デュオとしてはNBA最高成績(1試合平均53.2得点)を叩き出し、その上、個人としても自己最高の1試合平均33得点、7.9アシストを記録。 しかしながらチームとして度重なるトレードの失敗の末、プレイオフにも出場できず、個人結果がチームに反映されないもどかしさを抱え続けたアイバーソン。 その足元を支えたのがこのモデル。 シューズとしては、リーボックが新しい衝撃吸収のテクノロジーとして開発をしたDMX SHEARと、歩行をするとある一定気圧まで自動的に空気がアッパーを満たしフィット感を向上させるThe Pump 2.0(The Pump Auto)という二つの機能を盛り込んだことからも、非常に期待値が高かったであろうことは容易に想像が出来ます。 履いた感覚としては非常に面白く、まずThe Pump 2.0につながるパットがインソール下に入っているのですが、これが踵部分の足当たりを緩和。 一瞬沈むような感覚を覚えつつも、DMX SHEARが非常に安定志向のブリッジなので、そこで支えられる、という二層式。 そしてフォアに向かって傾斜が少し掛かっているため、足運びがよく、自然と推進力を生んでいる、というのが印象です。 また、シューレースがドローコードなのでホールド感に不安を感じそうですが、その点も2本のストラップにてクリアされており、十分なスペック。 ただし、フォアの甲部分にポンプが入り込んでいないため、人によってはストラップだけではゆるく感じるかもしれません。 その分、屈曲を良くする方向性に舵を切ってると考えるべきでしょう。 メカニカルなデザインの割にはストレッチ素材を使っている部分が多いため、重量も通常のアイバーソンモデルの範疇内。 19000+TAXという国内定価ゆえ、履き手を選ばざるを得ないモデルではありましたが、今履いてみてもバランス感のとれたモデルであることを実感可能。 マニア内では歴史的名作と言われる、10への布石を感じるモデルと言えるでしょう。 |