KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
モデル名 |
Nike LeBron 8 P.S. ナイキ レブロン 8 P.S.(Black/Sport Red-White) 2011年発売 |
アウトソール |
アウトソールにはフレックスグルーブを入れ込んだDNAパターンを採用。 中足部にグラスファイバープレートを差し込む事で、過度なねじれを防止 |
ミッドソール |
ミッドソール全体には安定したクッション性を発揮するファイロンを使用。 フォアにはフォアフットズームエアを。 リアには180°マックスエアを挿入することで、バランスの良いクッション性を発揮。 インソール下にボロンを張り合わせることで、足当たりの良さを実現。 |
アッパー | アッパーにはシンセティック、メッシュ、TPUを熱加圧処理にてワンピースに融合し、通気性、サポート性、軽量性の全てを兼ね備え、縫い目そのものを排除する、「ハイパーフューズ」テクノロジーを採用。 |
システム |
Phylon 6mm Forefoot Zoom Air Air Max 180 Poron Inserts Hyperfuse Upper Composite Construction Glass Fiber Shank Plate |
歴史背景 個人的感想 |
NBA2010-11シーズンプレイオフ、マイアミ・ヒートに所属するスーパースター、レブロン・ジェームズのシグネチャーモデルです。 このシーズン、8、V/2、と通算3作目としてプレイオフを通して着用していたのがこのモデル。 デザイナーはアルファプロジェクトで有名なデザイナー、Jason Petrie。 開発者は次作でも指揮を取ることになる、Ben Smith。 開発のコンセプトとして、安定性を保持しつつ、いかに軽く出来るかに標準を定めたと言われております。 実際に8、V/2と比べ、エア部分が半分となり、アッパーがハイパーフューズに変更されたことで、全体としての軽快感を感じる出来栄え。 とはいえ、前2作があまりにも重量があっただけ、という見方も出来るため、一概に評価をしにくい部分ではあります。 履いた感覚としては、ハイパーフューズと機動性を重視したエア配置になったことで、スペック的にもバランスがとれている印象が。 初め足入れをした瞬間、全体を一体成型している関係上、硬さを感じますが、足に熱を帯びてくると、徐々に柔らかく感じる不思議な感覚。 ハイパーフューズと謳っているだけあって、通気性も良く、まさしく次世代のアッパーというに相応しいテクノロジーかと。 一方で、足馴染みと言う点においては一切期待できないのは、テクノロジーの方向性としてどうしようもない所。 履き手によって、合う合わないがハッキリすると思います。 ソール周りのバランスが非常に良いので、シグネチャーという点を切り離して一度足入れをしてみてほしいモデルと言えますね。 |
モデル名 |
Nike Air Zoom LeBron II ナイキ エア ズーム レブロン ツー(Cool Grey/White-Varsity Royal) 2004年発売 |
アウトソール | アウトソールには変形式ドレッドパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するファイロンを使用。 フォアフット、リアフット共に抜群の衝撃吸収性と反発性、推進力を誇るビジブルズームエアを搭載。 |
アッパー |
アッパーには剛性の高い天然皮革としなやなか人工皮革、通気性の高いメッシュをコンビで採用。 ストラップが足首周りを固定しホールド感を向上。 TPUヒールカウンターが足の捻じれを抑制。 またインナー内部に搭載されたスフィアインナーが快適な通気性をもたらしてくれます。 |
システム |
Phylon Visible Forefoot Zoom Air Visible Heel Zoom Air TPU Heel Cup Sphere Dry |
歴史背景 個人的感想 |
NBA2004-05シーズン、当時クリーブランド・キャバリアーズに所属したレブロン・ジェームズのシグネチャーモデルです。 抜群の成績を残し、派手なデビューを果たした1年目を受け、成功の確約された状況で発売。 シグネチャーモデルとして通算3作目にしてようやく自身の名前が付いたことにより、よりレブロン専用機の色が濃くなり始めたモデルと言えます。 シューズとしてこのモデル辺りまでが適度な重量とバランスを備えたモデルと言うイメージが。 この後、徐々に重量化の一途を辿ることとなります。 シューズとしてはクッション性の豊かさと安定感が両立しているのを体感可能。 ビジブルズームエアを包み込んでいるPebax shellの恩恵が安定感に直結していると思われます。 通気性、屈曲性の伴った軽量アッパーだけでは剛性が足りないので、ストラップで補完するなど、バランス良く強化。 ストラップが苦手な方には鬼門かもしれませんが、あるのと無いのとでは、印象がガラリと変わります。 また、中足部がえぐれた構造になっていないので、偏平足の多いアジア系の足型にも優しい形状となっていると言えるでしょう。 問題点をあげるなら、スフィアインナーと構造上の問題で、内部の圧迫感が高く、サイジングが難しいところ。 足型と好みのフィット感によるのでしょうが、個人的にはサイズアップ必須でした。 シグネチャーとして飛び抜けた何かを感じる事ができるわけではありませんが、そつなく履きやすいと言う意味で万人受けしやすい機能性を盛り込んだモデルという印象です。 |
モデル名 |
Nike Air Zoom LeBron 4 ナイキ エア ズーム レブロン フォー(White/Varsity Crimson/Midnight Navy/Metallic Gold) 2006年発売 |
アウトソール |
アウトソールにはソリッドラバーにグリップの良いヘリンボーンパターンを採用。 フリーソールをモチーフに、分割式にすることで、屈曲を向上。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するファイロンを使用。 インソール内蔵型フルレングスズームエアが高いクッション性と反発性を実現しております。 またミッドソールとアウトソールの間にフルレングスカーボンファイバープレートと挿し込むことで過度な捻じれを防止。 |
アッパー |
アッパーにはポリウレタンを成形することで高い剛性と縫い目の無くすことを両立させたポジット素材を採用。 さらにフィット感を高めるために搭載されたインナーブーツとあいまって、強烈なまでのフィット感を提供してくれます。 また、ストラップが足首周りを固定しホールド感を向上。 |
システム |
Insole Included Full Length Zoom Air Foamposite Full Length Cabon Fiber Plate Phylon |
歴史背景 個人的感想 |
NBA2006-2007シーズン、当時C・キャバリアーズ所属したレブロン・ジェームズのシグニチャーモデルです。 チームの期待を一身に背負い、勝ち進んだプレイオフ。 初のファイナルまで出場を果たし、通称「プレイオフ」と名付けられたカラーリングです。 実際にはアナザーシグニチャーモデルである、ソルジャーシリーズを着用して試合をしており、人気だった4の中ではあまりこのカラーリングに対するインパクトというのは残っていないように思えます。 このモデル自体は久々に市場に出てきた純粋な新作のポジット素材モデルということで、期待値も高く非常に売り上げも好調な成績を残しました。 国内定価がポジットモデルにしては比較的安価な18000円+TAXというのも良かったのではないかな?と記憶しております。 また代を重ねるごとに増え始めていた地域限定色及びSMUが、何かの引き金を引いたように爆発的に増えたのも、このモデルの特徴。 マニアでも追いつかない状況を作り出していきます。 シューズとしての造形は非常に美しいのですが、とにかく重い。 片足US9で約615gという数字は、筋骨隆々のレブロンの脚力ならいざ知らず、一般的にみれば本当に重たいモデルです。 また、通気性も劣悪。 とにかく蒸れます。 優れた点をあげると、クッション性は弾むような感覚。 前足部も広く、フィット感はストラップも相まって、ポジットの良さを存分に感じることが出来ます。 剛性は強烈で、捻じれも起こしにくいでしょう。 せっかくのポジットモデルではありますが、この重さと利点のつり合いが上手く取れなかったため、以後継続しなかったのではないかと予測できます。 次作以降なんとなく一貫性を感じないシリーズの方向性を考えると、一旦流れを変えたモデルと言えるかもしれませんね。 判断に困るモデルではありますが、現代の基準でポジットモデルを作るとこうなる、というのがわかりやすく表現されていると思うので、一度体感してみることをお勧めいたします。 |
モデル名 |
Nike Air Zoom Generation ナイキ エア ズーム ジェネレーション(Wheat/Wheat/Gold) 2003年発売 |
アウトソール | アウトソールには間隔が少し緩めなドレットパターンを採用。 |
ミッドソール |
ミッドソールには安定したクッション性を発揮するC.M.E.V.A.を搭載。 フォアフットには反発吸収性の高いズームエア。 リアフットには柔らかなヒールエアを完備。 中足部にカーボンファイバープレートを差し込むことで過度な捻じれを防止してくれます。 |
アッパー |
アッパーには軽量かつしなやかなヌバックとシンセティック素材のコンビを使用。 吸気と速乾性に優れたスフィアインナーを採用することで快適さを確保。 また、通称バンパーと呼ばれる踵周りのTPUクローム素材が踵周りをホールドしてくれます。 |
システム |
C.M.E.V.A. Zoom Air Encap Heel Air Carbon Fiber Plate Sphere Dry TPU Chrome |
歴史背景 個人的感想 |
NBA2003-04シーズン、クリーブランド・キャバリアーズに所属したレブロン・ジェームズのファーストシグネチャーモデルです。 ある意味マイケル・ジョーダン以来の超大物と言える選手に対し、ナイキは7年間で総額9,000万ドルもの大型契約をデビュー前に締結。 シグネチャーモデルとして失敗が一切許されない状況もあり、ナイキが誇る有名デザイナーEric Avar と Aaron Cooperの二人によってデザインを作成。 モチーフはレブロンの愛車でもあるハマーH2と言われています。 実際のところ、ルーキーイヤーに通算平均20得点5アシスト5リバウンド以上を叩き出した史上3人目のプレイヤーとなるなど、文句無しに新人王を獲得。 レブロンの活躍に比例し、ファーストカラーは発売後1カ月で72000足売り上げるなど、一気にシグネチャーモデルとして市場に定着しました。 このカラーリングは当初予定されていたスラムダンクコンテスト用のカラーリングと言われています。 ですが、足首の不調を訴え、スラムダンクコンテストはキャンセル。 急遽、ルーキー・オールスターゲームでの着用となりました。 個人的には当初騒がれまくったこともあり、またPennyシリーズみたいになっちゃうんじゃない?などと懐疑的でした。 そんな中、手にしたわけですが、これがなかなか素直で履きやすい。 クッションシステム等々が極端で無いことが一番大きな理由だと思いますが、正直未だにレブロンモデルの中で一番履きやすいんじゃないかな?と。 ある意味、今のレブロンらしさみたいなものが完全に形成される前だったので汎用性が高い物を作るしかなかったのかもしれませんが、それが良い方向に出てると思います。 あえてケチを付けるとすれば、スフィアインナーを使っていると言ってもかなり蒸れること。 それにアッパー素材が思った以上にユルいので耐久性が見込めないことでしょうか。(これに限った事ではないと思いますけどね) その辺りを気にせず購入することができるならば、非常に良い出来だと思います。 発売後、8年近くたっているので、レトロ化したらオススメ出来るモデルと言えますね。 |