KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表 スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、 学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。 プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、 現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。 Black Ships http://www.blackships.co.jp/ https://twitter.com/yasu_taro |
モデル名 |
Nike Cortez ナイキ コルテッツ(Royal Blue/Medium Yellow) 1996年復刻 |
アウトソール | シンプルかつ間隔の広いヘリンボーンパターンを採用。 |
ミッドソール | ミッドソールにはE.V.A.を採用。 |
アッパー | アッパーには天然皮革とナイロンメッシュのコンビを採用。 |
システム | E.V.A. |
歴史背景 個人的感想 |
オリジナルは1972年に発売。 1960年代、USAにてオニツカタイガーを輸入代理店と言う形で販売していたのが、Nikeの前身であるBRS(ブルーリボンスポーツ)。 創業者であるビル・バウワーマンが当時のオニツカタイガーにアドバイスをして作られたと言われるのが、966年から展開されたオニツカタイガーのコルセアというモデル。 当時レザーかキャンバスで作ることが常識とされていたアッパーを軽量のナイロンに置き換えると言う大胆な試みを提案。 雨で水がしみるといった問題が多々ありつつも、瞬く間にランニングシューズではナイロンアッパーが主流になり、大成功を収めます。 クッション性においても、つま先から踵までミッドソールを展開し、踵のみ一枚厚い3層式を採用。 当時としては革新的なクッション性が舗装路で走ることの多かったアメリカランナーの支持を得るに至ったと言われています。 オニツカタイガーとの販売権のこじれから、1971年BRSからNikeへとメーカー業に転身。 訴訟問題を経て、1972年にNikeとしてのコルテッツが発売されます。 以後、マイナーチェンジや生産国の変更を繰り返しながら、現代にいたるまで生産され続けている超ロングセラーモデル。 このカラーリングは、1970年代中盤にかけてUCLAカラーとして発売。 ヴィンテージ市場で絶大な人気を誇ったカラーリングです。 それをNikeバブル真っただ中の1996年に日本企画として復刻。 マニア向けではありましたが、ヴィンテージ市場での高騰ぶりもあってセールス的にかなり成功をいたしました。 個人的にはコルテッツを何足か持っていますが、一番履いたカラーリングです。 もちろん基本設計が古いので、そう何時間も履けるような代物ではありません。 ですが、今から反芻すると、あの狂乱の時代だったからこそ生まれた、空気感を完璧にパッキング化したようなシューズだと思います。 当時のNikeの販売戦略は最低そのもので、結果数年後独占禁止法で訴えられるわけですが、ある意味そういった戦略があったからこその遺産的なモデルと言っても過言ではないでしょう。 |