KUNIHITO "YASU-TAROU" YASUI

パリコレブランド"Black Ships"デザイナー及びReal Japan 代表
スニーカー及びファッション系バイヤーを歴任し、
学生時代にトータルライフスタイルプロデュースカンパニー Real Japanを設立。
プロダクトの根底にある質を見極める発言やレビューで知られ、
現在ではシステムプロデュース、マーケティングプロデュース、アパレルブランド企画運営など、活躍範囲は多岐にわたる。

Black Ships
http://www.blackships.co.jp/


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https://twitter.com/yasu_taro


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Air Jordan XX9 エア ジョーダン 29(Black/Team Orange/Dark Grey)



2014/9/27 Posted by Kunihito Yasui





*注意
あくまで個人的なデータベース及び感想であり、内容については保証をしかねます。
良い部分、悪い部分関係なく個人的な視点で記述をしておりますので、
気分を害される方はお読みにならないようお願い申し上げます。


Air Jordan XX9 エア ジョーダン 29(Black/Team Orange/Dark Grey)
Air Jordan XX9 エア ジョーダン 29(Black/Team Orange/Dark Grey) Air Jordan XX9 エア ジョーダン 29(Black/Team Orange/Dark Grey)

モデル名 Air Jordan XX9 エア ジョーダン 29(Black/Team Orange/Dark Grey)
2014年発売
アウトソール アウトソールには粘り気のある素材に、格子縞を組み合わせた特殊ヘリンボーンパターンを採用。
アウトソール一部をくり抜くことで軽量性を向上。
前後分割されたアウトソールを「Tendril」というブリッジで中足部をつなぐことで、足運びをスムーズにし、エネルギーロスを防ぐ効果を実現。
ミッドソール ミッドソール全体にはファイロンを採用。
フォアフットには反発性、クッション性豊かなズームエアを挿入。
リアフットには圧縮ファイロンを搭載することでクッション性を確保。

ミッドソール全体を弾性が高く耐衝撃性に優れたナイロン系エラストマー樹脂であるPebaxで封入。

またミッドソールとアッパーの間に軽量かつ弾反発性に優れたFlight Plate(TPU Shank Plate)を挿入。
ミッドソール全体を上から封をするようにFlight Plateが足裏全体に伸びることで、過度な捻じれを抑制し、衝撃と体重を均一に分散化しエネルギーに変換する役割を果たします。
アッパー アッパーには従来のウーブンテクノロジーを更に進化させたワンピースアッパーを使用。
高い通気性、屈曲性を誇り、ワンピースゆえ足に余計なストレスを与えません。

またウーブンアッパーを邪魔することなく埋め込まれたFlight Webテクノロジーが足中心のホールド感を向上。
ヒールライニングにはヒールポッドがあり、アキレス腱を優しく包み込みます。
システム Phylon
Zoom Air
Pebax
Tendril
Flight Plate(TPU Shank Plate)
Flight Web
歴史背景
個人的感想
2014年、約2年ぶりに新作AJが誕生。
誰をミューズにしたのか、どんなテクノロジーが搭載されてるのか?という大きな話題を振りまき、生中継までされセンセーショナルなデビューを果たしました。

進化したウーブンアッパーはイタリアのジャガード織から着想を得て開発。
ジャガード織の特徴である織り込みは、糸の強度や柄を自由自在に変更することが出来、結果ワンピースで足にストレスの掛からない理想的なアッパーに進化。

織物であるため、従来のレザーアッパーに比べるとあまり足幅に制限がなくゆったり目。
しかしながらFlight Webのおかげで締めあげることも可能なので、微調整が利きます。
また無駄な縫い目などが無いため屈曲性も良く、フィット感も上々。
その上軽量で通気性の高いため、快適性も両立。

一方でヒールカウンターが小さいため踵のホールド感はこのクラスのモデルにしてはかなり低く感じます。
また履きこむと使用者の足の形にアッパーが馴染むでしょうが、その分繊維が緩くなるため耐久性が低いことは容易に想像可能でしょう。

ソールに関しては出来るだけ薄く軽量化して、いかに衝撃を反発性に変えられるか、という観点で考えられていると思います。
つまり踏み込んだ際にFlight Plateがミッドソール全体に衝撃を分散化。
均一に分散化された衝撃を受け止めたミッドソール素材が衝撃で横に広がるのをPebaxで無理やり塞き止め上に跳ね返る力へ変換。
その力を再度Flight Plateで上から蓋をして大きな反発性に変換すると言う計算をしているのが足裏から伝わるかと。

クッショニングに関しては前作のAJ28のエアバッグ破裂が多発する事例を受けてフォアフットエアのレイアウトを変更。
左右分割型から前後分割型へ。
それによりZoom Airの感触は薄れ、乗ってる感は減少したものの屈曲性が上昇。

一方でリアフットのAirは省略され、圧縮ファイロンに変更。
ここに関しては好みがハッキリ別れる部分ではあると思いますが、個人的には一番物足りない部分。
歩行の際にフォアフット中心の方には最適かもしれませんが、踵から入るタイプの歩行パターンだと圧倒的にクッション性の物足りなさを感じると思います。
ラッセル・ウエストブルックのプレーをミューズとして設定してる故の配置だとは思いますが、もう少しなんとかならなかったのかな?というのが素直な感想です。

アウトソールに関しては安定感もあり、中足部がTendrilだけでつながれてるとは思えないほどです。
ここまでごっそり削っていると大体不安定なソールになりがちなのですが、歩行への足運びは快適そのものと言えますね。

総じて評価をするなら、履いた瞬間がピークのシューズ。
久々に時代の最先端を走ることが至上命題である、AJらしいクオリティを完備したシューズだと思います。

履いて踏み出した時の感動は流石最新のAJと言わざるを得ないクオリティ。
しかしながらシューズとしての完璧な完成度があまりに短すぎる...

着用2日目にしてフォアフットのZoom Airの感触は薄れ、ミッドソール全体が沈んでいるような感覚。
意外や意外ソールの方が圧倒的にバランスを崩しやすく、実はアッパーがバランス上、勝ってることを実感。
この感覚だとアッパーが馴染む前にソール周りの良さが消えて行く気がします。

ハッキリ言ってAJは履き込んだりするようなものじゃないです。
歴代AJもシューズとしてへたるスピードは他のシューズに比べると圧倒的な早さでした。

そう言った背景を踏まえても、このモデルに関してはあまりに刹那的なバランスの上に成り立っていると感じますね。

そこまで刹那的なモデルに24000円+TAXを払う価値があるのか、判断は難しいところですが間違いなく久々にAJらしいAJを感じさせてくれるモデルと言えるでしょう。




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